第24話 キジムナー?と出会えたのか?

文字数 622文字

北部のある神社の傍に小さな小屋があった
特にお参りするような場所ではなくて
ずっと昔は社務所にでも使われいたのだろうか?
っていう感じの小さな小屋

いつもなら
絶対に近寄らないタイプの義姉が小屋に近づくと
”ガラリ” と、アルミの扉を開けた

開けたことにも驚いたが
無人の小屋の扉が開いたことにも驚いた

「別に何もないわ」

義姉はひと言つぶやきすぐに閉めたが
その日の晩
僕等とは別のホテルに泊まった母や兄夫婦は
一睡もできずに朝を迎えることになる

コテージタイプの常宿ホテルで
上の階で子供が走り回っている音がする
ふと時計を見ると夜中の2時を過ぎている
少しおさまったかなと思うと
ベランダの板間で走っているのか音が鳴り止まない

兄はフロントに電話しようとしたのだけれど
その時は、なぜだかためらわれて
苦情の電話を入れることはなかった

翌日、僕らがホテルに迎えに行くと
母と同室の妹から延々と騒がしかった話を聞かされる

ところが
同室の母と妹、隣の兄と義姉で騒がしさの出どころが
微妙に違っている

「ベランダや部屋を走り回っている」音がするのは同じだ

「もう使わない!」と兄は怒っていた

内地に戻ってから
ふと思う

今回の兄たちの部屋は「最上階が取れた」って
喜んでなかったっけ?
義姉は小屋の扉を「開けていない」と言っている

・・・・・
その手の話は怖いから

「あの日、キジムナーと会えたのかもね」

と、いうことで収まっている。

あと、兄の「もう使わない!」発言を
皆が支持している。
(発言した時と理由は違うけど)
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