第57話 アナタに限定品なんて言われると!

文字数 884文字

3月に告知をもらってから楽しみにしていたのに
なぜか、忘れていた阪神百貨店

前日に甲子園で大声援を送ったのに
アナタへの声援を忘れていたブエノさん

ホームで電車を待っている時に、突然思いだした!
「今日!最終日だぁぁぁぁ」

ついさっき
仕事疲れでダラ下りした階段をシャキ上がる!
いつもの改札を抜けて
地下の有名なイカ焼き屋さんの横を通り過ぎる

催事場で開店してると、目星をつけてエレベータ
ところが、そこにアナタはいない
順番にエスカレーターを降りながら周囲を見渡す

「やばい!最終日は早終いか」

地階まで来ても見当たらず、近くの店員さんに聞くと
「1階の食祭コーナーですよ」  
知らんがな!  どこやねん? 
ていねいに教えてくれるのが、かえって焦る

走る走る走る 60歳を超えても走れるんだ

さっきまで、『ちょっと見に行きたい』気分だったのに
『早く買わないと食べられない』気分になってる

息を切らしてたどり着いたら
ぜんぜん”営業中”だった
お目当ての”チキンステーキ”をお願いする

息が切れて沖縄の話ができない

「ゆっくりでいいですよ」

見たことあるメガネのお姉さんだ(まさか社鳥じゃないよね)
「浦添で食べたことがあるなら、チキンステーキがオススメです」

だから、最初に注文したんだって・・・

「これ、阪神百貨店の限定品なんです」

ああああ、つい言っちゃった
「じゃあ、2個ください」

晩御飯を作って家で待つ妻に連絡もしないで2個注文しただ・・

電話じゃなくて、メールで報告した僕を待っていたのは
ボイルしたニンニクを傍に置いた空のメイン皿
傍には生姜スープが湯気をあげる

「ブエノチキンって言われたら、仕方ないよね」
妻のセリフがありがたい

ほっこりしたニンニクを齧って
肉厚でいながら柔らかいチキンを頬張る
至高の旨さが広がる
噛めば噛むほど旨さが広がる!のは知っているけど
今日は歯が痛いからツラい
生姜スープは本店でも出して欲しい最強コンビだ!
追いニンニクで重くなった口を生姜でリセット
味くーたーになったらキュウリでもリセット
疲れが吹き飛ぶ沖縄の味!

2個買ったのに妻は
「ブエノに限定品って言われたら、仕方ないよね」

そーなんす! と僕



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