第14話 安須杜の胎内で

文字数 623文字

本島の最北端に在る安須杜は4連の岩山からなります
琉球開闢七御嶽に数えられる安須杜御嶽は
最高峰の岩山に在りますが、まだ行った事がありません。

私たちは
大石林山公園でスピリチュアルガイドをお願いして
安須杜の2峰を巡り歩いたのですが
観光コースから逸れた道を進むと
数多くの拝所や御嶽を見る事ができます
ただ、御嶽を見ても願い事などもっての外で
”挨拶”ですら憚れるような気がしますので
神妙に項垂れながら歩を進めます。

私には”霊感”のようなものは無いのですが
岩から、木から、森から圧を感じていました
ガイドの”赦し”で歩かせてもらえている感がして
「凄い」と「有難い」を何度も呟いてしまいます。

『ココが”神の井戸”と呼ばれていて、人間界と天上界の境になります』
ガイドが立ち止まり手で示します

窪みの辺りに空洞が見え
窪みの上には岩が迫ります
岩の向こうにあるガジュマルの森を越えて
天上界からこぼれ落ちる青い光を感じます。

人の行き交う中にあって”静寂”を感じ
耳を澄ますと
自らの”呼吸”が意識させられます

ふと、気づくと
手のひらを上に向けていて
何かをいただくような仕草をしていました
森の胎内にあって、
森の鼓動を感じようとしていたのかも知れません

ただ
荘厳さに”神”の気配を感じた訳でも無いのですが
思わず呟いてしまいました

「私は霊感とか無いですよ。メッセージを送られても分かりませんよ。
 なんか、すみません」 

小心者なんです。
うっかり、神様や霊の声や姿が見えたら怖いじゃないですか。
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