第34話 えんがん

文字数 564文字

たぶんそんな名前だったような
漁協の直営店だったような記憶の店

那覇にあるせいで
僕らとタイミングが合わない
だって、夕食時に那覇にいることは稀で
昼食を那覇で取ることは到着日くらい

だけど、時々思い出す

伊勢海老のウニ焼き
 大阪では高くて手が出せない伊勢海老の半身に
 ウニを塗りたくって焼いたもの
 単に「甘い」なんて言葉で片付かない
 旨味にコーティングされた甘さ
 噛んだ時から心地よい弾力で押し返しながら
 プツンと噛み切った途端に広がる味と香り
 ああ、もう一度食べたい

エビ汁
 大きな器に入った伊勢海老が具の味噌汁
 参った!これが最初の感想
 運ばれてきた時から漂う香りに抗えず
 汁をすすろうとした瞬間に海老の香りが脳に届く
 口に含むと塩味より早く海老味を感じて
 最初の感想に至った
 さらに海老の身が加わって、笑ってしまった

古い記憶では1500円だったけど
どちらも値上がり、でも「そらそうだろうな」も範疇
多少値が上がっても間違いなくコスパ最強で
「せっかく沖縄」なんて思ったら両方頼んじゃいます
ともかく ”バカ旨!” ですから!

え? 

現在の値段を確認しておこうと思って、ネット検索したら
閉店してました、残念です

え? 
「食べたくなった」
「閉店した店を紹介するな」 ですか?
すみません。
ですが、同じ場所で新店舗があるようですから
また、調べてきます。 
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