第33話 魚が泳ぐ杯に泡盛を注いで眺める

文字数 442文字

随分と前に神戸で見つけた沖縄雑貨のお店
日本酒のお猪口より、ひとまわり大きな杯を見つけた
2000円
安い!と言う人がいる値段だろうけど
100均でお皿や茶碗まで手に入る時代に
小さな杯=ぐい呑み程度の器に2000円は高いと感じた。

お店の人が言う
「これは金城次郎さんのお孫さんの作です
 子供さんの作品はアチラの棚に置いてますし
 次郎さんの作品をご覧になるならケースを開けますので」

チラ見すると
10倍は超えていそうな価格のコーナーを紹介されている。

2000円にビビる僕に無茶を言うな、と思ったが
値を知る前から、目の前の器の魚紋に惹かれている
「山」?
値札を見直すと作者名が書いてあった[金城吉彦]
あ! 「ヨ」
カタカナだとは思わなかった
杯の魚の表情に頼りなさに惹かれた。

僕の様子を見て
仕方なさそうに100均好きの妻が笑っている

買って帰ってから気づいた
杯に泡盛を注いで泳ぐ魚の美しさ
用の美
使ってこその器だねぇ。

気に入ったのが吉彦さんで良かった
数年後には、次の「ヨ」の小皿に
スクカラスを乗っけられたもの。
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