第51話 パソコントラブルが続発

文字数 1,172文字

2002年 9月
もうすぐ開校から1年になる。教室には今まで160人の方が入会した。
ゼロから始めた教室としてはまずまず順調といえるだろう。
少しは教室の運営にも慣れてきた。気持ちも少し楽になってきた。

そんな時に見えない力は私に試練を与える。パソコンの故障が頻繁におきた。
何台かのパソコンがインターネットにつながらなくなる。
さらにマイクロソフト社がウィンドウズXPを発表した。
パソコン8台はウィンドウズ2000で始めた。
早いうちに8台のパソコンを入れ替えなければならない。
ウィンドウズXPにはオフイス2002も伴う。
8台取り替えるとおそらく100万は超えるだろう。
見えない力は簡単に楽をさせてくれない。


インターネットがつながらないのはなぜなんだ。
夜10時半最終の授業終了後、パソコンの設定を見直しあらゆる方法で試してみる。
私はシステムには弱い。今はこれが決定的な弱点となっている。

明日には9時からお客様がやってくる。
朝までには直さなければならない。悪戦苦闘し色々な事を試してみる。
どうしても直らないものがある。やむを得ず下田さんに電話をする。
下田さんは夜の12時でもやってきてくれる。
「すみません、こんな時間に」
「いいえ、僕が作ったパソコンですから・・・・」
30分後下田さんが黒い車で到着する。
今夜は黒い革ジャン。片手にはジョージアの青い缶コーヒー。かっこいい。
不思議な事に悪戦苦闘していた故障が、下田さんの手で嘘のように直ってしまう。
「すみません、こんな簡単な事だったんですか」
「なかなか機械の事はわかりませんからね」
「夜遅く呼び出してすみません」
「いいえ、いつでも呼んで下さい。僕は夜型ですから心配しないでいいです」
救われた。これで明日からいつものように授業が出来る。
この教室は下田さんで命をつないでいる。本当にありがたいと思った。
でもいつかは自分で何でも直せるようにならなければならない。

下田さんは私がメモを取っていると厳しく注意する。
「メモを取ると、なかなか覚えられませんよ!」
「でもメモを取らないと、忘れてしまいますので・・・・」
「体と直感で覚えて下さい」

年齢は息子のようだがパソコンの前では大先輩。
「はい、わかりました。すみません」
「ウィンドウズXPが出ましたね」
「ええ、まいりましたよ8台全部となると」
「1ヶ月に2台ずつ取り替えたらどうですか」
「あ、そうですか、そうすれば費用は講習料金から賄えますね」
「その時は又、私が手伝いますよ」
「本当に助かります」
「じゃあ、又きますね」

下田さんには本当に頭が下がる。
確かに月に2台ずつなら経営的にも何とかなりそうだ。
下田さんが帰った後。忘れないうちトラブルノートに修理内容を記録しておく。
このトラブルノートのおかげで現在は殆ど自分で修理できるようになった。

深夜2時ごろ自宅に帰り深い眠りに付いた。
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