第72話 再建策の最後の秒読み

文字数 1,025文字

今まではスーツにネクタイ。これだはお客様は緊張してしまう。
こんな格好は自分自身のためでしかない。
これからはGパン、綿パン・Tシャツや普段着でやろう。
しわしわのシャツを着ていけば「奥さんアイロンかけてくれないの?」
こんな事も話題になるだろう。

今までは色々貰ってばかりいた。今までは言葉で感謝を言っていた。
これからは形あるもので感謝の気持ちを表していく。
今度は、こっちからなんでも差し上げよう。
「イラストや」「文例」はいっぱい持っている。これをCDにして差し上げよう。
「昭和の歌謡曲」「フォークソング」「クラシック」などをみんなに上げよう。
学習用としてCDにしてプレゼントしよう。
「便利技」「実用技」「裏技」「面白技」私の持っている財産は全部大放出だ。

この財産はお金と違っていくら差し上げても無くならない。
なぜこんな事に気が付かなかったんだろう。
学習以外の会話も大切だ。こっちから声をかけ、こっちから話題を作る。
お互いに褒めっこをしたり、自慢しあったりして気軽な教室にしていきたい。
褒めてあげたり褒められたりして、笑いを誘いそこにダジャレをはさんでみよう。

行き過ぎないように注意しよう。調子に乗ると茶目っ気が出てしまう癖がある。
限度をわきまえられるだろうか。生徒に注意されるくらいでちょうどいいかな。
「中高年のためのパソコン教室」と大きく掲げている。
これから事務員になるんだという人はまずいない。

人はみな笑いのある場所に集まってくる。
人はみな明るい場所に集まってくる。
人はみな癒される場所に集まってくる。


3ヶ月の苦悶苦闘はこの自分の意識改革だったんだ。
1月に新しいお客様が入ってくれば、今回からは新しい自分で接してみたい。
本当に今度のチラシで来てくれるのだろうか。
こっちがどんなに変わったって相手がいなけりゃ役に立たない。
そのときはその時。また新しい方法を考えてみる。

今日はお正月。今日くらいビールの2本くらい飲めるだろう。
だめだといったらコンビにいって内緒で飲んじゃおう。
「おとうさん、ごはんだよ」
「今日は2本飲んでいい?」
「いいけど教室の帰りにコンビニの前で飲んじゃ駄目だよ」
なんかいつも一言釘刺してくる。こっちの心がばれている。

昨日コンビニの前で飲んだこと誰が言ったんだろう。
ばれるはずがないのにな。酒臭かったのかな~。
ケーコのあの性格何とかならないもんかな。ケーコだけはどうにも改善できない。

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