第66話 情報の力が継続の力

文字数 1,646文字

銀行の預金残高も少なくなってきている。
1月に新規受講生が入らなければこれ以上持たないかもしれない。
あとは計画した事を実行していくだけだ。
今日中に看板、のぼり旗、チラシ等発注しておこう。
チラシの作成に時間をかけた。A4用紙の白い紙。黒いインク1色。
この小さな用紙の片面に自分のこれからの人生がかかっている。
うわべだけの言葉で人の気持ちは動かせない。
中高年にとってはパソコンがなくても生活はできる。あれば便利程度のものだ。

そういうパソコンを知らない方が、アレッ!と思うもものにしなければならない。
そこから楽しい世界が広がっていくことをイメージさせる。
誰でもそんなに余裕のある生活をしているわけではない。
パソコンを習うことによって得をする気持ちも持たせなくてはならない。

しつこく勧誘はしたくはない。さらりとしていたのでは人は入会してくれない。
私に文章のセンスや広告デザイン力はない。人をうならせるような文才もない。
一言でもいいから自分だけの言葉を作りたい。その一言に自分の気持ちを込める。
まずは感じていることを箇条書きに書いていく。
頭の中で思いついたことをパソコンの画面に打ち込んでいく。
考えた事をどんどんパソコンの中に叩きつけていく。
他社のチラシも参考にし、いいものはアイデアを借り活用する。


そこに頭の中にあるイメージを書き込んで行くだけだ。
パソコンの知らない人が、行ってみようという気持ちになる言葉はなんだ。
便利な事、楽しい事、役立つ事、面白い事等を思いつくままに書いてみる。
難しそうだなあという気持ちを起こさせる、力のある言葉が必要になる。

インターネットでパソコン教室の情報の検索をしてみる。
繁盛していそうな同業者のホームページを何百件と見て回る。
参考になった事をまた箇条書きにして書いていく。
チラシの作り方もホームページで探し回る。参考になった事を箇条書きにする。
とにかく今はチラシの事で頭をいっぱいにしておく事だ。
徹底的に一つの事に集中すれば見えてくるはずだ。
人生訓や処世訓のコーナーも見て回る。面白い話のコーナーも見て回る。
参考になった事は箇条書きにして書いていく

作業は果てしなく続く。深夜の2時や3時は当たり前、夜明けまで続く事もある。
ホームページの中から参考になると思う文章があればコピーしておく。
コピーしたものをワードやエクセルの画面に貼り付けていく。

インターネットの「パソコンQ&A」のコーナーは参考となった。
わからない人が困っている事を質問する。
知っている人がその事について応える。初めての人は何回も聞く。
答える人も何回も相手がわかるまで答える。
過去5年くらいの「Q&A」のバックナンバーを閲覧した。
それは5000項目もあるものだった。
全部読んで大事な所をコピーした。ここに教える側の原点があったのだ。

初心者はパソコン用語が解らない。専門用語を日常使用している言葉に置き換える。
初心者はまさかと思うほどパソコン用語を知らない。それが当たり前だと思う。
見た事もない。触った事もない。そのチャンスさえない人が多い。
どんな家庭にでもどこにでもあるパソコンなのに。遠い世界に見えているのだ。

触りたくても触れない。もし壊れたら旦那に怒られる。
そんな人たちにも教えられるようにしたい。
クリックは・・・・ そこを押して!
ドラッグは・・・・ 押したまま右へ動かして!
ダブルクリックは・・そこで、トントン叩いて!

箇条書きで書き込んでいく作業は9月中旬からはじめ、11月中旬までかけた。
ある程度の所で終わりにしなければきりがない。
これからはまとめの作業に入っていく。総ページで200ページ以上になった。
折込チラシにするには、これをA4用紙に1ページにしなければならない。
住所や電話番号や教室名も入れる枠もあけておく。教室の地図や写真の枠も必要だ。

目標項目に合わせて整理する。不要なものは削除する。
同じようなものはひとまとめにしていく。
まだまだ徹夜に近い作業が続く、終わりがないと思えるくらい続く。

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