いもおい~日本に異世界転生した最愛の妹を追い掛けて(略)

文字数 1,891文字

いもおい~日本に異世界転生した最愛の妹を追い掛けて、お兄ちゃんは妹の親友(女)になる

栗栖蛍 様作

【あらすじ引用】
地球を救う為、仲間を追って日本へ異世界転生したリーナ。
一人残された兄ヒルスは、大好きな妹を追い掛けて彼女の親友(女)として生まれ変わる--。

転生して女子高生になったみさぎ(リーナ)と、咲(中身は兄ヒルス)のダブル女子主人公で送ります。
みさぎにできた現世の兄・蓮に対する咲の葛藤、蓮と咲の関係に翻弄されるみさぎの困惑も見どころです。

【物語は】
ある女性魔術師が、未来を垣間見たところから始まる。
それは絶望だったのだろうか。

次の場面では、ある人物が異世界に旅立とうとしていた。彼女は、ある場所の未来を救うために、仲間を追おうとしているのだ。何故なら仲間に対し、良くない未来の予言があったからだ。

しかし彼女には、異世界に向かうにあたり、心苦しいこともある。それは、自分を愛してくれる兄の存在だ。それでも彼女は使命の為に、未練を振り切り異世界へ旅立つ。
妹を失った兄には絶望しかないと思われたが、そんな彼に一筋の光が差す。
かくして異世界へ転生することとなった兄は、転生に纏わり、一つの願いを叶えて貰うこととなるのだった。

【物語・世界観の魅力】
本編に入ると、先に異世界に転生した妹視点で展開されていく。しかし彼女は高校へ入学する年になっても、自分の使命も運命も思い出せていなかった。物語は二学期から始まり、その時は刻一刻と近づいているようである。

この時点では、兄が女性として転生したかった理由が明確には分かっていない。ぼんやりと、”虫よけなのだろうか”と想像はできても。もしかしたら、もっと別の理由があるのかもしれないと感じた。

この物語の背景が分かるのは主人公と元兄たちの通う高校に、転校生がやって来てからとなる。しかしそこまでが長いというわけではなく、本編に入ると転校生がやって来る日の朝からとなるので、無駄のない流れとなる。
彼らの会話により、元の世界で何があったのか。なんのために彼らが異世界へ行かなければならなかったのか、が分かって来る。

この作品は、魔法の世界から現代の地球に転生したという世界観で展開されている。現代から、魔法の存在する異世界へ転生や転移するという作品は多いが、このタイプは珍しいと思われる。異世界転生ものでありながら、現代ファンタジーであり、魔法少女ものであるのが面白い発想だと感じた。

【登場人物の魅力】
四人目の重要人物が転校してくるまでは、主人公と彼女の前世での兄、そしてもう一人の需要人物である、同級生の三人で話が進んでいく。三人とも性格が違い、兄である咲は見た目こそ完璧な女の子(スタイルなど見た目が)ではあるが、中身は豪快な男子といった感じだ。
前世での妹である主人公一筋であり、彼女にはどうやら前世の記憶があるように思う。

しかし、転校生の話を聞いている様子から、どこまで事情を理解しているのかは定かではないと感じた。もしかしたら元兄は、前世での戦いには一切関わっていないのかも知れない。

主人公である彼女は彼らから話を聞いても、まだ前世について思い出せていない。転校生の話を信じてはいるが、どこか他人の過去である。彼女は一体どんな形で、過去を思い出すのだろうか。
四人で行った歓迎パーティでは、思わせぶりなエピソードも挿入されている。果たして、元兄の咲は何をどこまで知っているのだろうかと、色んな想像をしてしまう。

【物語の見どころ】
前世では兄妹だった関係、は現世では親友という立場となって居る。それが彼の望んだ形なのだろうか。序盤はミステリアスな部分が多く、好奇心を刺激する。元兄が女性に生まれ変わることを望んだ理由が、重要なのではないだろうかと感じた。

前世の記憶を取り戻した転校生。もっと前から記憶を取り戻していた同級生の男子生徒。二人は元々この世界を救うことを目的としていたのだから、当然策はあるのだと思われる。だが彼らを助けるために来た少女は、まだ記憶が戻らない。全てを知っているように感じる元兄の咲は、一体どのような役目を果たすのであろうか。(一章・10まで読了)

そしてここではまだ、その存在しか分からないが、”みさぎにできた現世の兄・蓮に対する咲の葛藤、蓮と咲の関係に翻弄されるみさぎの困惑”というのも見どころの一つであるらしい。(あらすじより引用)

物語はまだ、彼らの目的が分かったばかり。
来たる運命の日までに、主人公の記憶は戻るのだろうか。

あなたもお手に取られてみませんか?
この物語の結末を、是非その目で確かめてみてくださいね。
おすすめです。

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