サイゴヒーロー ~魔を狩る人~ 

文字数 2,555文字

古蘭佐 様作

あらすじ引用
空高く聳え立つ崖の上に、怪物の死体がいっぱい。隣に二人の男が立って、崖の下を俯瞰する。
「この下は上海、いや、いまはネオシャンハイか。懐かしいな。夢、久しぶりの故郷だ。うれしいか?」
「別に」
「何言ってんだ? お姉さんと会えるかもしれないぞ?」
「死んだかも」
「いやいや。俺を信じろ。絶対生きているって。だがしかし、姉探しの前に、ちゃんと任務を果たせよ」
「魔界の穴か」
「そう、あれを封印しなければ、生き残った人々も危なくなる。人類滅亡かもしれんぞ」

疫病、災害、戦争、人類は大きな災厄を乗り越え、やっと一時の平穏を手に入れた。災後新元4年9月、猟魔人の諸葛夢は、新元学園で、天才美少女と呼ばれる司馬アンジェリナと出会う。この出会いは、人類にとって、世界にとって、特別な意味を持つことは、二人は知る由もなかった。魔族、怪物、異星人、巨大ロボット、バイオテクノロジ、新しい危機が、どんどん人類に迫ってくる。二人は仲間と一緒に、強大な敵に立ち向かう。時にたわむれ、時にシリアス。

【簡単なあらすじ】
ジャンル:空想科学(SF)
ある夢を見た日、主人公は曰く付きの”通学鬼路”で魔獣に襲われた。しかしその時の記憶がない。同日、クラスに転校生がやってくる。どうにも見てことがある様な気がするものの、わからない。そしてあることをきっかけに、彼を含めボディーガードと三人で行動するようになった。その後、立て続けに事件が勃発。ついには、殺人事件まで起こってしまったのであった。

【物語の始まりは】
大災により九割の人間が犠牲になった。西暦某年、病、災い、戦争、世界は終焉を迎え、地下に逃げた人のみ何とか生き残ることができたのである。彼らが地上に戻った最初の新年を新元(しんげん)1年1月1日とし、それから四年後より始まっていく。

【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】
舞台は大災により九割の人間が犠牲になった後の世界。
「清秋」:陰暦8月の異名でもあり、9~10月のすっきりとした空が広がっているころ。

災いの後、物理法則が変化する。
多くの機械設備、主に通信航空関連のものは使い物にならなくなる。
空を飛べるのは小さい虫ぐらい。電波も短波などごく一部しか使えない。
変化したのは物理法則だけではなく、地形も変化した。ネオ上海では四方を断崖絶壁に囲まれ、市民は出ることができなくなった。たまにくる探検者の情報から、地形に変化が起きたのはここだけではなく、地球全体に何か異変が起きている可能性がある。

【主人公と登場人物について】
友人との会話から、”急に寝てしまう”という現象が頻繁に起こっているようである。しかし、病院での検査では異常なし。主人公の身に何が起こっているのだろうか?
主人公は防衛部長、警察局長などからも頼りにされる人物である。

【物語について】
主人公は自分を呼ぶ声により、イヤな夢から覚める。そこは夢の中でみた森ではなく教室であった。目覚めた彼女の目の前に置かれたのは山のような書類。これをある教師に渡して欲しいと頼まれたのである。書類を手にし、会議室を後にした彼女に声をかけてきたのは、ボディーガードであった。主人公はどうやら色んな人物から探されているらしく、書類を彼に託すと当初予を変更し、別の人物の元へ向かうのであった。

旧校舎へ向かう為の通路は二つあるが、一つは遠回りとなる。何故近い方の通路が使われていないのか? それは戦時中そこへたくさんの遺体を置いたことがあり、幽霊が出ると噂になっていたからである。この通路は生徒の間では学校鬼路と呼ばれていた。ノートを見ていた主人公はいつの間にか、その誰もが敬遠する通路の前に居たのである。彼女が今から会いに行く相手へは、この通路を通れば時間的に間に合うが、遠回りをすれば間に合わない。やむなくこの道を通ろうとしたのだが、謎の魔物に襲われてしまう。絶体絶命の危機! それを救ってくれたのは、ある男性だった。彼は転校生であるが、主人公はある理由からその五分程度の記憶を失う。
この後、転校生の主人公への態度が気に入らないとボディーガードが彼を追いかけるのだが、そこで再び魔物(魔獣)に遭遇。これがきっかけで二人は同盟を組むことになり、主人公を含む三人は一緒に行動することとなるのだった。

【良い点(箇条書き)】
・緊迫した状況でも、会話が漫才のように進んでいくので、思わず笑ってしまう。しかも返答が冷静だったりして、余計に面白い。
・用語説明の補足なども記載してあり、文化の違いなども分かりやすい。
・戦闘シーンはテンポが良く、行動などが想像しやすいや、会話が面白いのでコメディを見ているようにも感じてしまう。
・それぞれの思考が分かりやすく、登場人物たちがとても個性的である。
・世界観などの説明に関しては科学的であり化学や物理も含まれ、文学的でもあり美学的。なので、コメディと感じる部分と文学的な部分とのバランスが凄いなと思う。
・いろんな要素が詰め込まれている。魔獣と戦うだけではなく、不可解な事件も発生。
・事件から一変、地球外へ?! 謎の多い物語でもある。

【備考(補足)】16ページ目まで拝読
【見どころ】
大災により九割の人間が犠牲になった地球では、色んなものが狂い始めていた。特に通信機器などが大ダメージを受けており、昔のものが重宝されている状況だ。そんな世界の中で特にネオ上海を舞台にした物語である。
謎の多い部分が魅力の一つではないだろうか?
主人公は突然寝るという、謎の症状に悩まされており(悩んではいないかもしれないが)、そこで悪夢を見る。その夢は予知夢なのか? それとも誰かとリンクしているのか? 今のところ謎である。

世界観やシステムについては真面目に説明されていくが、会話はコメディのように笑いとテンポの良い部分が多い。魔獣と戦うシーンもあれば、事件が起きて調査をするというシーンもある。一体この世界で何が起きているというのだろうか? 連続殺人事件(?)の犯人は一体誰なのか? 魔獣の死体を持ち去ったのは誰なのか? 放火した犯人は?! (沢山犯人がいるな……この時点ですでに面白い)彼らの敵は一体誰なのか。その正体は?
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