『無能スキル“遠視”を得た剣聖は剣を捨てる』

文字数 1,783文字

無能スキル【遠視】を得た剣聖は剣を捨てる〜剣聖と言われましたが、スキル"遠視"が便利なので遠距離を極めて《無双》します!〜

かき蘭 様作

【あらすじ引用】
前世では剣で無双していた剣聖が転生したのは、なんと、剣術や武術など近接攻撃職が重視される世界の伯爵家であるルットラス家の長男だった。しかし、コルムは貴族にはあるはずの魔力が全く無かった。そのせいで、前世の経験で剣術は上手くなるも、家族から期待されなくなってしまう。そして、10歳の時に貰えるスキルが最後の望みと言われていた。だが、コルムが授かったスキル"遠視”。これは近くが見えなくなる事から、この国では最悪最低の無能スキルと言われていた。そして、とうとう家を追い出される。そんなある時、彼は、ある人物の助言から弓を取り戦い始める。そして、学院では剣姫と呼ばれる天才剣士と仲良くなっていく。
そして、スキル"遠視"はとんでもない能力だと判明し、国家級大災厄さえも一瞬で解決?!
「え?家に戻ってこい?そんなの今更遅いんだよ!」  
家族から馬鹿にされた元剣聖は弓で国家最強にのし上がる!

剣が得意だったはずの男が、近接重視の世界で剣を捨てて戦うファンタジー!

【物語は】
その強さから”聖剣”と呼ばれていた男が、老衰によって亡くなり、転生するところから始まる。しかし転生した先はどうやら、元の世界とは違うよう。
転生直後の彼は赤子であったが、前世で持っていた熱意は失っていなかった。新しい人生でも同じ志を持ち成長していくのだが、この世界では魔力があることが重要だったのだ。しかしなんの因果か、主人公には魔力が全くなかったのである。

【登場人物の魅力】
前世の記憶があるとはいえ、主人公は年相応に成長していく。魔力が重要であり、転生した先は魔力の強い家系だったため、肩身の狭い思いをすることになる。特に弟が出来てからは、親から期待をかけられることもなくなり、弟からは下に見られるという悔しい想いもする。
そんな彼はついに決断するのだ、強くなるために旅に出ると。旅前夜の母とのやり取りは切ないものを感じさせる。

主人公には魔力がないという欠陥はあるものの、人望には恵まれる。はじめの出会いの相手は人とは言えないかも知れないが、彼のその後の人生を変えていく大切な出会いだ。魔力がないことで負い目を感じていた主人公に、色んなことを教えてくれた存在でもある。
彼のお陰で主人公は、希望を持てたのではないだろうか。

【物語の魅力】
前世では”聖剣”と持て囃されていた、主人公。転生後はどん底ともいえる人生を歩き始める。しかし、彼の努力はいづれ実を結ぶのだ。
それにはある出逢いがターニングポイントとなっているのではないだろうか。

この世界では、10歳の時にスキルを貰う儀式がある。魔力がない主人公は、その時に賭けていた。良いスキルが貰えれば、その後の人生が約束されるからだ。
しかし、ここでも絶望を味わうことになる。それを救ったのも最初の旅で出逢った友人だ。主人公は彼が居ることで、救われる部分が多いように感じる。

この物語の中で主人公は、何度も挫折しそうになって居る。時には自分の不甲斐なさに涙することもあるし、友人にあたってしまうことも。彼はとても人間らしい感情を持ち、そんな自分がイヤになることもある。ヒューマンドラマ部分がしっかりと丁寧に描かれており、友人との絆、友情も感じる。

【物語の見どころ】
この物語は、あらすじにもある通り”剣が得意だったはずの男が、近接重視の世界で剣を捨てて戦う”ところが見どころである。
魔法のある世界にも関わらず、魔力を持たず、前世で”聖剣”と呼ばれるほど剣術に長けていた彼がそれすら手放し、果ては、弓で国家最強にのし上がる物語なのだ。

彼にとって”剣”で戦うことは、プライドそのものだったのではないだろうか?
しかし、それを捨てることが出来たという事は、彼の熱意と志は”プライド”よりも高いという事なのであろう。

あなたにならできるだろうか?
得意なものを捨て、新たなことを極めるという事が。
しかも頂点を目指すという未来が想像つくだろうか?

あなたも是非お手に取られてみませんか?
主人公のどん底であり、見下されていた人生からの逆転劇。
想像しただけで、ワクワクしてしまいますね。
お奨めです。
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