音無し少女は普通でありたい

文字数 1,196文字

Abさま作
【作品URL】
https://kakuyomu.jp/works/16817139555895009144

【あらすじ引用】
 たった5分で、心温まる物語を。

これは、耳の聞こえない少女と、彼女に惚れた高校生が紡ぐラブストーリー。


【物語は】
 ある注意文ともいえる一節から入るのだが、タイトルと一体どんな関係があるのだろうか? そして何故ダメなのだろうか? と純粋に疑問に思った。 
 だがすぐにその理由が分かり、納得するのである。

 タグを見ると恋愛ものでハッピーエンド。
 後悔から始まる主人公が、この約5500文字の物語の中でどんな風に想いを寄せる相手とハッピーエンドを迎えるのか非常に気になるところである。

【主人公と少女】
 少女の本心は後に明かされるが、主人公の想いは一貫したものであり気まずいながらも思いやりに溢れている。
 一方的に決めつけることなく、相手の気持ちを尊重する姿は非常に好感を持つ。主人公はとても素敵な人物であると言える。 
 それに対し少女の方は以前通りの距離感を保っているのだろうか?
 次第に、彼女の抱えているものが明かされていく。それでも変わらない主人公の気持ちに何とも切ない気持ちになった。

【主人公の考え方】
 この物語の主人公は高校生であるが、とても大人びた性格であると感じる。
 考え方が自分本位ではなく、冷静に自分自身を捉えている印象。そんな人物だからこそ、彼女も心が許せる相手なのではないだろうか?
 気まずさを乗り越えたものの、好きな人の気持ちが自分に向いていないとなれば、人は相手に冷たくしがちだと思う。それは意識、無意識にかかわらず。
 だが彼は、想いを告げる前も後も恐らく変わっていないのだと思う。

【物語の見どころ】
 耳の聞こえない少女に恋した主人公は、想いを告げた相手と高校で再会する。告白の返事が良い返事ではなかった為、気まずい想いをするのだが、あることをきっかけに以前の仲に戻り、次第に心の距離が縮まっていく。
 世の中にはいろんなハンデを持った人がいる。それは目に見えるもの、見えないもの様々。しかしそれを自分から話せる人というのは勇気のある人。
 トラウマがあり、一見ハンデがあると分からなければ偏見やいじめなどを恐れて言いづらいこともあるだろう。話した方が理解される可能性があるとしても。

 ”普通”が何か考えないということは、何の不安もハンデも抱えていないということだと思う。しかしなんらかのハンデを抱えた者は、それを普通でないと思われたくないものだと思う。人はそれほどに、偏見の目を向けられることを恐れる弱い生き物だと思うのである。例え周りに偏見を持つものがいなくとも。

 そんな彼女を見守っていた主人公は、ある分岐点を迎える。
 その時、彼女が選んだ選択とは?
 優しい愛に溢れた二人の恋の行方をぜひ、その目で確かめてみてくださいね。
 おススメです。
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