安楽庵探偵事務所 〜尋ね人は異世界です。

文字数 1,283文字

かなたろー 様作

あらすじ引用
 その探偵事務所は、新宿の雑居ビルの七階に事務所を構えていた。人探し専門の探偵事務所だった。しかし、事務所の看板は掲げていなかった。だが、替わりに広告を出していた。月刊紙のオカルト雑誌の、増刊号の季刊誌に四分の一ページの広告を出していた。

『尋ね「人」探します。 −安楽庵探偵事務所−』

 広告には住所しか載せていなかった。電話番号や、メールアドレスもない。当然、ホームページはあるはずもない。公式SNSアカウントすらない。これではそうそう、たどり着けない。そんな広告で大丈夫か? 大丈夫だ。問題ない。なぜならその探偵事務所は、異世界に転移した人を探すために作られた探偵事務所だったからだ。

【物語のあらすじ】
新宿のとある雑居ビルにある探偵事務所には三か月に一度しか依頼人が来ない。そこには三つ理由がある。看板はなく、広告は出しているものの三か月に一度しか刊行されていないオカルト雑誌。そしてその内容にも問題があったのである。問題だらけの広告とちょっと変わった尋ね人を探す探偵事務所。
果たしてどんな依頼人がやって来るのだろうか?

【登場人物について】
安楽庵探偵事務所の助手は、お酢が好きなようである。
占い館の館長兼探偵事務所の所長は、絶世の美女ではあるがモテない。その理由は60個あるらしい。その他、異世界へ向かう人物などがいる。

【良い点(箇条書き)】
・一定のパターンのある物語なのかと思いきや、五話で意外な展開となる。
・依頼人がほとんど訪れない理由は、冒頭で分かるがそれ以外にも理由がある。その部分を知ると、なるほど! と思う。
・異世界転生を、上手くモチーフとして取り入れた物語である。
・作風とリズムが独特である。
・異世界転生後の世界を舞台にしている物語は沢山あるが、異世界転生でいなくなった後の世界が舞台というのは面白いなと感じた。
・登場人物が個性的である。

【物語の感想】
料理というものが物語にどのような形で関わって来るのだろうか?
初めは全く想像がつかなかったが、こういう使い方があるのだなと感じた。巧く異世界を取り入れた物語であり、発想も面白いと思った。
登場人物についての詳しいプロフィールがあるのも面白い部分。それぞれ副業があるのだろうか?
時々何を言っているのか、ちょっとわからないところも味だと感じる。
とても面白い物語だなと感じた。

*7話まで拝読
【物語全体の見どころ】
独特なリズムのある作品。同じ流れで物語は始まっていく。後半がそれぞれ違っていくスタイル。詩などでよく使われる反復法が物語全体に使われており、その独特なスタイルがリズムを生んでいる。
異世界転生を巧く取り入れた物語である。通常、異世界転生ものというと、異世界に転生した側が舞台である。それは異世界転生者が主人公なこともあれば、それを取り巻く人物や敵などが主人公である場合が多く、現代が舞台になるのは稀だ。
独自のテンプレートにより物語が進んでいく印象。そして独特の切り口で、依頼人の心を浄化していく物語だと感じた。
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