ミステリー好きの悪役令嬢は好奇心を抑えられない

文字数 2,237文字

黒木メイ 様作
【作品URL】
https://ncode.syosetu.com/n6952gs/
https://kakuyomu.jp/works/16816452219651381918

あらすじ引用
悪役令嬢×ミステリー。

第1章
「イザベル・フィッツェンハーゲン! 貴様との婚約を破棄する! そして、私の最愛であるエミーリア・ロンゲン嬢殺害未遂についての罪をここに告発する!」
突然降って湧いた冤罪を前に転生者『イザベル・フィッツェンハーゲン』は淑女としてはあるまじき表情を浮かべた。
 己の婚約者から婚約破棄を宣言されたショック……ではもちろん無く、突然降って湧いた『事件』を己の手で解決する機会が訪れたことに茫然としたのだ。(本文より一部抜粋)

第1章スピンオフ
インクルージョン(クラーラ番外編)
親からの愛情も、初めて得た友情も、あなたとの未来も諦めた。
でも……これだけは譲れない。たとえ私がーーーとしても。
エーミール様、私は、あなたのーーになれましたか?

【簡単なあらすじ】
ジャンル:ミステリー
前世の記憶を持ったミステリー好きの主人公は、現実世界から異世界へと転生。その記憶が元で王家の者と婚約することとなったが、ある日自分自身が事件が起きて? 

【物語の始まりは】
前世の記憶を持ち、現実世界から魔法の存在する世界に産まれ育った主人公。彼女の一族がどんな人々なのか、説明されていくところから始まっていく。前世日本人でありそのころの記憶が役立ち、その事から第二王子と婚約が決まった主人公。何と彼女は大のミステリー好きだったのである。
前世ではお目にかかることはなかったが、王族の周りではリアルな事件が起こっていたいた。事件には、首を突っ込むようなことはしなかった彼女だったが、ある日事件が自分にも降りかってきて!?

【舞台や世界観、方向性】
前世は現実世界の日本で暮らしていた女性が主人公。現世では、魔法や魔道具などが存在する世界が舞台。その中でも主人公の生まれ育った一族は、国内外からも一目置かれている。何故なら次々と魔道具を産み出すような、好奇心や研究心を持つ者を多く輩出しているからである。
前世の記憶を持つことが物語に影響を与えてることから、必然性を持たせた設定であると感じた。
タイトルからも分かるように、この物語はどうやら異世界転生ものではないようだ。どんな世界なのかは、主人公の推理(一言)によって明かされているので、実際に読まれていただきたい。

【主人公と登場人物について】
ミステリー好きの公爵家の令嬢が主人公。とても聡明で機を待つタイプだと感じた。ちゃんと土台を固め着実に成功に導く。だからこそ面白い展開が待ち受けており、スカッとする部分もある。しかし物語は、主人公の想い通りになるというわけでもない。何があるか分からない、正に人生そのもの。
全体的に、きちんとした目的があり人々が動いている。なので、誰が敵で誰が味方なのかもわからないスリルがある。なぜそんな行動をしたのかも、きちんと納得のいく理由があり、身内ビイキのようなものもなく推理モノとして凄くすっきりとした終わり方だと感じた。(第一の事件より)

【物語について】
悪役令嬢ものは婚約破棄などをして自由を手に入れたり、死を回避したりなどのストーリーが多いと思われるが、この物語はミステリーである。面白い方向性の物語だと感じた。モノローグでの状況説明などが説明スタイルではなく推理なことから、主人公が普段から推理することが好きなのだということが伝わって来る。
探偵というのは、頭がいいものだ。しかしその頭の良さは、言葉だけでは示せない。それは映像か文字かはあまり関係ない。彼女はかなり聡明。頭の良さとは、言動から感じるものだと思う。主人公はとても冷静に自分の置かれている立場などを考え、行動をしている。落ち着いているのである。その事が物語をより面白くしていると感じた。

【良い点(箇条書き)】
・家族からの愛されかたに涙。
・家族が全面的に協力するスタイルというのは、あまり見たことがなく面白くなりそうだ! とワクワクする。
・主人公の聡明さが、言動から伝わってくる。
・悪役令嬢ものというとヒロインがとても良い子で、というものが多い。この物語はとても作り込んであると感じた。
・事件自体も簡単には終わらない。
・推理の過程、情報収集についても面白い。
・主人公が一方的に不幸になる物語でも、一歩的に良い想いをする物語でもなく、ヒューマンドラマであると感じた。

【備考】8話まで読了
【見どころ】
とても変わった組み合わせだなという感想から入る物語である。探せばあるのかも知れないが”悪役令嬢ものとミステリー”という組み合わせに自分は、初めて出逢った。これが例えば、ただのミステリーであったなら、全く違うものとなっていると思う。つまり、悪役令嬢ものであることが活かされた物語であると感じた。この設定だからこそ、この物語は魅力を最大限に発揮していると思う。特に悪役令嬢ものというのは多く存在しており、その為先入観もあると思う。そうなると、あっと驚かせることは可のだと思う。先入観があるからこその意外性や読者を攪乱させる(推理を)テクニック。とても素晴らしいと感じた。そして第一の事件の解決までの鮮やかさは、主人公の聡明さを際立たせている。だがこの事件はここでは終わらないのだ。
果たして事件の真相とは? その目で是非確かめてみてくださいね!
お奨めです。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み