執着という名の犯罪 

文字数 1,195文字

七海美桜 様作

あらすじ引用
刑事課の健吾は、「心臓泥棒」という連続殺人犯を捜査していた。しかし事件が暫く起きず、生活犯罪化の案件を手伝う事になる。
そこで犯人と揉み合いになり刺されてしまう。そこで出会ったのは――。

『アナグラム』とも関係あるお話です。

備考・短編
1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)
アナグラムとは? アナグラム(anagram)とは、言葉遊びの一つで、単語または文の中の文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味にさせる遊びである。(web調べ)
あらすじの一言がとても気になる物語である。アナグラムが使われているのが物語全体という可能性も考えられるからだ。さすがに長編ならばそんな大掛かりなことをするのは大変だが、こちらは短編のようなのでその可能性は否定できない。さて、どの部分にアナグラムが関係してくるのだろうか?

2 物語は(どのように始まっていくのか?)
事件に巻き込まれた、ある一人の男性の危機から始まっていく。助かりそうにない状況。奇跡は起こるのだろうか? それとも……。

3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。
・意識を保とうと何かを考えるくだりから事件の詳細について、という流れが良い。
・いろいろと謎な部分が多いが、これは始まりに過ぎないと続きそうな物語である。
・猟奇的な人物とはこういう人を言うのだなと、勉強になった。
・好奇心の形はそれぞれであり、道を踏み外すと危ない人間になってしまうということがよくわかる。(危ない人が、二人も出てくる!)
・違和感に対しての表現の仕方が巧いなと感じた。
・”いつもの”行動に対して、”恐怖”が重なると、人は自然と”いつも”を避けようとするもの。そういう部分がとても自然に描かれていて、素晴らしいと感じた。

4 作品の感想
構成が巧いなと感じた。短編ながら二つの事件が起きており、どちらも危ない人である。どんな手段で主人公の記憶が改変されたのかはわからないが、ここからが始まりなのでは? と思わせる物語である。
面白いなと感じたのは、事件のあと先に”ん?”と思うのが読者で、続いて主人公も”ん?”となっていく。真相を知っているのが読者で書き替えられたのが主人公なのだが、恐怖はリンクしているような気がする。
短編だからこそ、主人公はどうなってしまうんだ! というハラハラドキドキ感もある。そして犯人のヤバさがとても印象的であり、”みつからない”ことに対して納得のいくエピソードもあり、事件の全体像が分かるのも良いなと思った。これから長編として続いていきそうな、想像力を掻き立てる物語だなと感じた。

5 物語のその先を想像して
読者の脳内で、続きが始まっていくに違いない。主人公は果たして生き残れるのだろうか?! 続く……(続きません)。
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