お兄ちゃんは『妹が!』心配です 

文字数 1,889文字

お兄ちゃんは『妹が!』心配です 〜 その兄妹オタクにつき、異世界でも幼なじみや原住民をも巻き込んで、自由奔放に逞しくも図太く生きる 〜

斐古 様作

【あらすじ引用】
主人公の八尋(ヤヒロ)はとある休日に、年の離れた妹の陽菜子(ヒナコ)と共にゲームをしていた。
そこに陽菜子の家庭教師兼、二人の幼なじみの伊織(イオリ)がやってきていつも通り伊織の小言を聞きながらダラダラゴロゴロと過ごしていた。
そんな平穏な時間を過ごしていたそんな時、謎の少女Aが現れる。

「見つけました、勇者様!」
「ウチ、そういう系の血筋じゃないんで……」

丁寧にお引き取り願おうにも、手足をねじ込まれ、押し売りセールスマンの如く帰ってもらえない。
そして問答無用で渡された箱を恐る恐る確認すると、一通の手紙と共にゲームソフトが。
不審に思いながらも起動すると謎の魔法陣が現れ、気づけば見知らぬ世界の森の中に転移させられていて……。
異世界生活を続ける度に、八尋は変な敵には目をつけられるし、妹を取り巻く人々に振り回される。
そんなお兄ちゃんは、妹への心配を募らせる。

三人がこの世界に呼び出された本当の意味とは一体━━!?

八尋を中心に繰り広げられる、ヲタク兄妹と幼なじみ。そして異世界の住民である木の化け物やお人好しな神官、それにツンデレ半魔など、見た目も個性も様々な種族や住民たち!
これはそんな彼らの織り成す、ドタバタ異世界転移のシスコンファンタジー!!


……かもしれない。

【物語は】
森の中から始まる。どうしてこんなところにいるのか分からないまま。
主人公と妹、そして幼馴染みの少年。彼らは、突然異世界に飛ばされたようだ。ある一人の訪問者と、ゲームソフトによって。一体どうしてこうなったのか、ゆっくりと明かされていくのだった。

【世界観・舞台】
序盤は森しか出て来ないので舞台について詳しく書くことは出来ないが、不思議で巨大な生き物と仲良くなれるようである。(たまたま)この生き物については、接っていくうちに人間味や可愛さを感じていく。
森の中で起きていく出来事は、兄と妹のコミカルなやり取りで面白く読みやすい。するする読めてしまう物語だが、序盤ずっと森にいるため、世界観については魔法が使えるという情報のみとなる。

彼らをここに飛ばした人物は、一体誰だったのか。箱の中のゲームは一体なんだったのだろうか。謎は多いものの特に気にならないのは、コミカルで面白いからだと言える。
異世界へ来て、初めての友達になる相手はちょっと変わった相手。だが森に詳しく心優しそうな相手だ。もし、主人公たちが里へ行ってしまったら、その相手はどうするのだろうか。愛嬌があるだけに別れがたいと感じてしまう。かといって、主人公たちが決めることなので、当然のことながら読者は口出しできない。

【登場人物・物語の魅力】
主人公は、好奇心旺盛な妹を持つ21歳の青年。この物語の妹に対する心配がどんな方向性なのか。読んでいくうちに分かって来るのだが、一言でいうなら”ガチで心配”しているのだ。
元の世界に居た頃は、妹と幼馴染みに軽蔑されるようなゲーマーであったが、異世界に転移後は、妹の個性が際立つ。

少しづれている部分を笑いとしているところが面白い。
臨機応変な兄。かなり破天荒な妹。常識的な幼馴染み。
この組み合わせはとても面白い。
話が進むと、天然で人のよさそうな人が加わる。
この人物が加わると、目的や方向性が見てくる。主人公たちは、彼を手伝うことができ、無事に街につけるのだろうか。

随所に笑ってしまう箇所あり。この兄妹のやり取りはテンポがよく、面白いため、こんな妹や兄がいたら楽しそうだなとさえ思ってしまう。二人だけの暗黙の了解のと感じてしまう、会話の内容も面白い。

【物語のみどころ】
ある日、家に謎の少女が訪ねて来て、いきなり”勇者”と言われてしまう。その後、無理矢理謎のものを押し付けられ、気づいたら異世界に飛ばされていた。

付いた先は森。
目的も分からぬまま、森を彷徨う一行に妹によって最初のピンチが訪れる。
結果から始まり、時を戻すスタイルで進んでいく物語である。

神官に出逢った彼らは、無事に彼の探し物を見つけ、街にいくことができるのだろうか?

あなたもお手に取られてみませんか?
破天荒であり自由人でありながら、人見知りという意外性をもった妹に振り回されながらも、何とか彼らをまとめながら目的を見つけようとする主人公。
彼らは何故この世界に転移させられたのだろうか。まだ謎に包まれている部分は多いですが、とても面白い物語です。
彼らのその先を是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。
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