オークに転生! ~異世界で欲望の限りを尽くすはずが(略)

文字数 1,865文字

オークに転生! ~異世界で欲望の限りを尽くすはずが、何故か英雄と呼ばれる事になった物語ブウ~
来我 春天(らいが しゅんてん)様作
【作品URL】
https://novelup.plus/story/880812588
https://www.alphapolis.co.jp/novel/657867059/960417242

【あらすじ引用】長いので省略
令和に生きる社会人、谷川。
幼い頃から厳格な家庭で育てられた彼は、二十五年間ガマンの連続の人生を送り続けていた。
学生の頃から買い食いも、寝坊も、異性交遊さえもしたことのない優等生。
そのおかげで、それなりに順調な社会人生活ではあったのだが────
本当は、もっと自由に生きたい!
俺は他人の何倍もガマンをしてきた!
いつか俺のガマンは報われるはずだ!
いつか俺の欲望を理解してくれる人に出会えるはずだぁ!

──────そう信じていた彼に、ある日悲劇が襲い掛かる。


【物語は】
ある国のとある森。ある一人の少女に迫る巨体。彼女に危機が迫る……かと思いきや。危機的状況に陥っているのは一体どちらなのだろうか。
本編に入ると、何やら不穏な事態。主人公は追っ手から逃れつつ、こうなった経緯について回想している。それは運が悪いとしか言えない状況だった。
25年間自分自身の欲望を押さえつけた彼は、真面目ないい子を演じてきた。それがどうしてこうなったのか。いつか報われると信じていた彼は、悪戯によって希望さえ奪われるのであった。
コミカルに進んでいくので、とても面白い。理不尽さに対する心の叫び、真面目に今後の展開を想像し嘆くなど。真面目に生きてきた彼ならではである。
報われないまま、人生を終えることになってしまった主人公。この先、何が待ち受けているのだろうか?
(普通は人生が終わったら終わりですが、続きます)

【登場人物の魅力】
生活環境の為、自分を殺さなければならなかった主人公は、聖人君主というわけではない。むしろ抑え過ぎた欲望のせいで、本当はむっつりという残念な点がある。しかしそれもまた人間らしさである。
真面目な部分があるからこそ、状況を冷静に分析し、他人を信用できない面もあるのではないだろうか。
主人公は言葉選びが秀逸。想像力も豊かで、考え方が面白い。ネタバレになってしまう為、一つも例をあげられないのが残念。主人公は、女神の話を聞き異世界に転生するという、一択しか道が残されていないことを知る。
ここで出てくる女神が強烈だ。この場面だけで一生分笑えるのではないかというくらい、ユーモアがあり笑いのセンスも光る。

【物語の魅力】
この物語は確かに面白い部分が多いが、心情にリアリティを持たせており、主人公が絶望する様も伺える。心理描写も情景描写も丁寧で、彼がゆっくりと新しい環境に順応していく姿が伺える。転生するまの段階では笑って見ていられたが、大自然の中で適応していこうとするさまは、応援したくなる。
現代社会からいきなりサバイバルな生活を強いられ、しかもモンスターのいる世界で生活をすることになってしまった主人公。その知識はゲームによるものも含まれており、モンスター側から世界はどう見えるのかについても語られている。立場が違えば、考え方もガラリと変わるのだ。
たった一人で異世界にモンスターとして転生され、はじめは不安や恐怖も感じていた主人公。そんな彼が、異世界生活を楽しむまでの経緯も丁寧に描かれており、夢中になってしまう。笑いだけではなく、生活そのものに面白味を感じる物語だ。

【この物語の見どころ】
抑圧されていた人間が、自由を謳歌していく。しかし、そうなるまでにはもちろん苦労もある。タイトルにある通り、欲望の限りを尽くすはずだった。彼は、欲望ではなく自由を謳歌していると感じる。今までなら、周りの目を気にした生活だったり、好きなものを食べることが出来なかったり。
確かに異世界の大自然の中では、好きなものを食べるというのは難しいかも知れない。だが物語が進むごとに、彼は順応し生き生きとしている。自分のしたいことも出来ず、我慢するのが当たり前だった日常が変わっていくのだ。それは決して楽ではないが、自分で学び手に入れていく。失敗もあるだろう。だが、楽しんでいるようにも見える。
この先、彼には英雄となる道が開けていくと思われる。
それは、どんな形で訪れるのだろうか?

あなたもぜひ、お手に取られてみませんか?
真面目に生きてきた青年の第二の人生は、あなたにも考え方を変えるチャンスをくれるかもしれません。おススメですよ。
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