Re:≠Re:異世界で愚者は救世主になれない

文字数 2,461文字

栗槙ねも 様作

あらすじ引用
異世界召喚された少年、周防ひがな。
右も左も分からない彼の前に現れたのはエルフの少女、モニカ。彼女の助けを借りて、新しい仲間とも出会い無事に初日を終えようとしていた。しかし、彼は何者かに殺されてしまう。呆気なく異世界生活終了……かに思われたが、気がつくと殺される数時間前に戻っていた。
彼に与えられた力は時を遡ることが出来る──『時間遡行』だった。

これは積み重なる己の死を乗り越えて、大切な人たちを守ろうと必死に足掻く愚者の物語。
そして、大切な人を救うために運命に抗う天使の物語。

【簡単なあらすじ】
ジャンル:ハイファンタジー
ある日突然、異世界召喚された主人公。召喚者、召喚目的共に不明。異世界の街にポンッと捨てられたような状態だった。そんな彼が奴隷商である少女を引き取ったことをターニングポイントに、死のループに巻き込まれていく。そう、彼のチートスキルは『時間遡行』だったのである。知恵を働かせ、予測を立て、戦略を立てた上で協力者を導き出し、この死のループに立ち向かう主人公。果たしてその結末とは……?

【物語の始まりは】
廃城での少女による、意味深な言葉から始まっていく。本編に入ると主人公である少年の視点へと変わる。全く知らない場所で、呆然と立ち尽くす彼。一体彼の身に何が起きたというのだろうか?

【舞台や世界観、方向性】
・主人公が飛ばされた場所は、奴隷制度がある世界。
・明晰夢とは? 自分が夢を見ているのだと認識したり、コントロールできる状態を指す(web調べ)
・時間遡行とは? タイムトラベルのこと。
・カタルシスとは? 心理学における、浄化および、排他のこと。(詳しくは辞書でどうぞ)
・主人公の能力は『時間遡行』のみ。身体能力は現実世界のまま。つまり頭脳、戦略で危機を乗り越えなければならない。シナリオ系のアドベンチャーゲームをしている感覚を味わうことができる。

【主人公と登場人物について】
主人公は現代より異世界に召喚された少年。
異世界に移る方法は大きく分けて三つだと思う。転生、転移、召喚である。彼が”異世界召喚”されたのではないか? と推測に至るまで少し間がある。というのも、”召喚”に良く見られる”召喚者”の姿が見受けられなかっためではないだろうか? その為、初めは明晰夢だと判断している。
それが”異世界召喚”されたのではないかと推測に至っても、それは限りなく正解に近い推測に留まっているのはやはり、決定打となる”召喚者”に遭遇してないからではないかと想像する。
この物語にはよく出てくる数人の少女がいるが、彼女たちの中には奴隷もいる。しかし主人公は現代社会からやってきた為、その風習(制度)に馴染むことはできない。良識的な人物。しかし、彼女たちにとっては当たり前の日常と化しているのか、主人公を変わった人と評価している印象。

【物語について】
部屋で寝ていたはずの主人公は、目が覚めたら全く別世界にいた。みたこともない街に途方に暮れるも、冷静な分析の結果どうやら”異世界召喚”されたのではないか? という結果に辿り着く。そして現在の状況を確認するも、ルームウエアのような恰好と所持品は圏外になっているスマホのみ。靴さえ履いていなかった。絶望的な彼に声をかけてくれたのはエルフの少女。彼は彼女人探しに、何とか同行することに成功する。

その後、奴隷商で廃棄されようとしていた兎耳の少女と出逢う。エルフの探し人は見つからなかったものの、途中で別れ宿で一夜を過ごし、最初の一日が終わるはずだった。しかし主人公たちは、寝込みを襲われ殺されしまう。ここで終わりかと思いきや次に目が覚めた時、数時間前に戻っていたのだ。自分を召喚したした人物が誰なのか分からず、召喚された理由もわからないまま、主人公は自分の行動で前回との変化が起きていることに気づく。これで死を回避できるかと思いきや、またもや殺されてしまうのであった。だが、またもや時間が戻っていた。自分のチート能力が”時間遡行”だと把握する主人公。彼はこの先どう行動していくのだろうか?

【良い点(箇条書き)】
・ルートが変わるたびに少しづつ謎が解けていく。
・主人公以外の視点からも物語が紡がれているので、深みを感じる。
・それぞれの境遇が違い、複雑に絡み合っているのが面白い。
・単にルートが変わると主人公の運命が変わるというわけではなく、互いが干渉し合い物語に変化をきたすというのが面白い。
・頭脳戦。どうしたら攻略できるのか? 主人公が手探りではあるが、道を探そうと色々と思考している部分に面白味がある。
・ただ生き残るのではなく主人公は、ある者を守ることも目的としている。

【備考(補足)】13話まで拝読
【見どころ】
この物語はざっくりと説明すると、”無事に生き残る”ルートを探すというものである。それは”死”のループから抜け出すということ。しかし、そう簡単に抜け出せるわけではない。そして死に方も生半可なものではなく、トラウマレベルのものである。主人公が必死になるのが頷ける物語。
物語は、主人公が異世界に召喚されたことから始まっていく。ただ、命を狙われているのは主人公ではない。巻き込まれて惨殺されるのだ。召喚された目的、召喚者は読了部分では不明ではあるが、ある人物と遭遇し共に行動することがターニングポイント。死が訪れると、数時間前まで時間が戻り、ループする。ここで面白いのは、経験したことにより相手への反応が変わること。自分のその時の選択により、変化が訪れること。ただし、変わらない部分も存在する。返答にとっては、相手の意外な部分を知ることもでき、思わず笑ってしまうエピソードも存在する。
そしてこの物語は、最初の死のループから抜け出せたといってもそこで終わりではない。正しいルートを自らの手で導き出し、先へ進まなければならないのだ。
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 
どんなラストが待ち受けているのか、その目で是非確かめて見てくださいね。
お奨めです。
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