魂の封術士

文字数 1,750文字


呉葉悠奈  様作

【あらすじ引用】
排他的な集落にある水原中。そこに通う三年生が突如襲われる事件が発生した。犯人は不明。証拠も目撃者もゼロ。生き残ったのは一人の男子生徒だった。
彼を助けた少女は言う。「君は、『魂の封術士』だよ」と──。

【物語は】
切羽詰まった状況を思わせる一場面から始まり、ことの発端へと。
舞台となるのは少子高齢化の影響により、来年から小中校が一貫となることの決まった中学校。あらすじから想像するに、主人公視点で事件の一部が明かされていくのではないかと思われる。
一体彼らに、何があったというのだろうか?

【彼らの日常と非日常】
小中学校が合併するとあって、主人公の所属する三年生のクラスには7人しかおらず、彼らの様子からは気心の知れた仲であることが伺える。少なくとも悪ふざけが出来たり、冗談も言い合える仲である印象。おそらく、普段から彼らは同じクラスの仲間であり、気心の知れた友人なのだろう。
そんな彼らに忍び寄る、非日常。
ことの発端は、授業の時間が近づいても教師が教室に現れなかったことにあるようだ。クラスの中の一人がその事に気づき、この場合”当然ともいえる役回り”である級長が教師を呼びに教室より出て行く。

ミステリーのような雰囲気を感じるが、タグを見るとダークファンタジーとある。
*ダークファンタジーとは?(個人的に調べた用語)
重苦しい雰囲気や悲劇的展開、残酷な描写や過激な性描写など、主人公をはじめとする登場人物にとって不条理な世界観などに重きを置いているもの。 あるいは、幻想文学作品で、幻想・怪奇・ホラーの色合いが濃いもの。
(ウィキペディア調べ)

【主人公の見たものとは】
あらすじの”犯人不明”から、あなたはどんな犯人像を想像するだろうか?
ネタバレになるのではっきり言うことはできないが、この事件は主人公のターニングポイントであり、全ての始まりに過ぎないのではないだろうか?
仮に犯人を突き止めたとしても、それで解決にはならないと想像する。
このあと主人公の秘密に触れそうなワードが出ており、今後の展開に期待が高まる。どうやら主人公は”特別”なようだ。

【危機を経て出逢った彼らとは?】
主人公を助けてくれたであろう少女。主人公は目が覚めたら、ある神社にいた。ここで出逢うのは、その少女に関連のある人物数名。主人公は彼らの話しや、彼らの会話により少しづつ自分の置かれている状況を把握していくことになる。読者もまたこの部分により、物語にとって一番大事な設定部分を知ることになるだろう。
そしてあらすじにある”『魂の封術士』”に対し、”『呪術士』”という者がいることをが明かされていく。彼らの役割を知ると、この物語の方向性が明確になっていくのではないだろうか。主人公が”特別”ないし、常人と違うこと。それはきっと、人には理解されないことだったのかもしれない。作中で主人公が、質問に対し答えることを戸惑う様子からも、想像に難くはない。
同級生であり、大切な仲間を失った主人公ではあったが、この先得るものもあるに違いない。

【物語の見どころ】
第二章八話まで読了。
事件のその後、主人公は命の恩人やその兄弟などから『封術士』や『呪術士』について知っていくこととなる。そして主人公の家族関係なども明かされていく。事件により、元居た中学には同じ学年の生徒がいなくなってしまった。家庭の事情などもあり、命の恩人である少女の家に居候することとなった主人公は、転校を余儀なくされるのである。
新しい転校先で、少しづつクラスに馴染んでいく彼。
ここまでは、物語の舞台がどんなところであり、作品におけるオリジナル設定について主人公と共に知っていくこととなる。

そして転校先で事件は起こるのだ。ここからがいよいよ本題であり、主人公が
『魂の封術士』であることを体験したり実感していくような出来事が起こるのではないだろうかと想像する。

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ある出来事を境に、生活が一変してしまう主人公。それまで、自分自身の人とは違う部分に気づきながらも、一人で抱えてきた。彼が己の役割を自覚した時、物語は新たな展開を見せるのではないだろうか。
果たして友人を死に至らしめた者の正体とは?
その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。
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