終わる世界で眠る灰

文字数 1,198文字

管野 月子 様作

あらすじ引用
遥か遠い未来、緩やかな滅びの都市で造られた労働力としてのクローンに、アンデット病と呼ばれる異常行動が発生していた。
一度暴走したクローンは、機能を停止させ廃棄処分にするしかない。それは最下層の焼却炉で灰にすることを意味していた。

ある日、アンデット化したクローンを目の当たりにした夜、K―EN3205N―973は、同じ工場で製造された末尾966の願いを聞く。
感情を持たないクローンには、発生しないはずの願い。それを耳にして、973は新たな決意をする。

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)
人のクローンなのだろうか?
クローンそのものについてはいろんな考え方があり、たくさん映画にもなっている。この物語では恐らくアンドロイドのような役割をするのではないだろうか? 人と人でないものの違いについて見た目や機能ではなく”心”があるかないかであるという考えを何処かで読んだことがあり、衝撃だった。
人間とは自分で何かを考え、選ぶことのできる生き物である。どんなに文明が進み、人間の作業が楽になったとしても人間がそこに必要なのは、人だけが臨機応変に対応できる生き物だからだと思う。
この物語では、クローンは感情を持たないとされている。果たしてその願いとは?

2 物語は(どのように始まっていくのか?)
クローン同士の会話から、世界の状況が分かっていく。人間が外で生きられないほどに環境が悪化した世界。そこで働けるのは人と同じ形状ではあるが耐久性があり、ロボットのように感情などを持たないものであった。しかし世の中上手くできているわけではない。彼らは変異と合成を繰り返した遺伝子を抱えており、想定外のことが起きる。アンデット病という異常行動を起こす者が現れる。彼らは自害することができな為、そうなると処分されてしまう。現在は処分が追い付かない状況であり、もうすぐ都市の工場が閉鎖されるようである。

3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。
・不思議な世界観。感情が無いというう設定なのでクローンが黙々と仕事をするのだろうか? と想像していたが学習もさせるということからお喋りをし、思考することもできるのかと、思った。
・この物語で感情のないものとされるクローンたちは、人間よりも人間らしく感じる。
・己を犠牲にしてでも願いを叶えるところ。
・人間とは自分勝手な生き物なのだなと、改めて感じた。

4 自分が主人公の立場だったら
恐らく主人公と同じように願いを叶えてあげたいと思う。

5 物語のその先を想像して
主人公の願いは叶わないのかも知れない。冒頭の方で最後の……とあった為。しかし彼らの行動はきっと残ったクローンたちに何か影響を与えるのではないだろうか? と想像する。あなたならば、何を感じるだろうか?
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。
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