旦那が好きすぎる私は今日も旦那のパンツを履く 

文字数 1,103文字

百度ここ愛 様作

あらすじ引用
 希死念慮を抱えている私と出会った旦那。いつも優しく、いつも支えてくれた。そんな旦那のために生きようとは思うけれど、辛いことは絶えない。なんとか今日を乗り切るために、私は今日も旦那のパンツを履く。
 
備考・短編
1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)
希死念慮とは? 死にたいと願うこと。
自殺願望と使い分けることもあり簡単に説明すると、理由があって自殺したい逃れたいと感じるものを自殺願望。漠然と死にたいと願うことを希死念慮というようだ。

この解説を読むと、自殺願望は持ったことがある。誰しも一度は失敗や嫌なことから逃れたいという気持ちから、軽い自殺願望を口にしたことがあるのではないだろうか? しかしそれには理由が存在し、解決すれば解き放たれることがあるだろう。だが希死念慮はこれとは違い、何の理由もなくとも死にたいと感じるのだ。恐らく理解はできても共感のし辛い気持ちだと感じた。生きたいと強く思えないからこそ、この気持ちが勝つのではないか? と想像する。

2 物語は(どのように始まっていくのか?)
主人公が死にたいと望む状態が語られていき、ターニングポイントが訪れた時のことが明かされていく。希死念慮に囚われた彼女を、真逆の生きたいという気持ちにさせたものとは?

3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。
・旦那さんも主人公も、弱いからこそ支え合える。
・旦那さんの根気の良さが凄いなと思う。
・主人公の心境の変化の描写が丁寧である。
・互いが必要だからこそ、一緒に居るというのが伝わって来る。
・主人公の一方的に支えられたくないという想いが印象的。

4 作品の感想
旦那さんの人柄がとても素晴らしいと感じた。ことあるごとに”死にたい”という人は、とても重い存在であり一緒に居ると気が滅入るものである。しかし彼はそんな彼女を受け止めて愛で包んであげられる人。でも彼は強いわけではないと感じた。

強い人というのは、他人を必要としない。結果、一方的に寄り掛かられて疲れてしまい、一人を選ぶのだと思う。しかし弱い者同士は支え合える。パートナーといつまでも仲良く一緒に居られる人と、何故か一人になってしまう人との違いはここにあるのではないかと感じた。

5 物語のその先を想像して
旦那さんと出逢い、結婚しパンツをはいていた頃までは”依存”という形だったのだと思う。しかし履かなくても大丈夫というのは、”支え合う”ということなのだと思った。恐らく二人はこの先も、互いを必要とし支え合って生きていくのだと想像する。

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