Πανδώρα―パンドラ―

文字数 1,486文字

羽之 晶 様作

あらすじ引用
『ガチャガチャ』、この言葉に胸が躍っていた子供時代。
 親から貰える一ヶ月のお小遣いとしては、少々高めの『百円玉』にすべての思いを込めて、入魂の如くレバーを廻す。

 昔は『ハズレ』も存在し、落胆と共に『お粗末な景品』を持ち帰る者や、お小遣いを使い果たすまで、目的の景品を狙い続ける者もいた。
 だが、時代の中で進化を続けて来たガチャガチャは、電子玩具や、高級フィギュアなど、百円を超え三百円、中には五百円や千円もする様なガチャガチャが、現代の日本で、更なる可能性を見出そうとしている。

 だが、未だかつて見たこともないガチャガチャが、日本のどこかで存在している事を、あなたは知っているだろうか?

*2話まで連載中(前後編)2021年12月1日時点

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと)
ガチャガチャ大国日本。ガチャガチャしか置いていないお店もある、酔狂な国である。いつからか、ガチャガチャは子供だけのものではなくなった。どんな景品が出てくるのか分からない、夢の詰まったガチャガチャ。おもちゃであるにも関わらず、クオリティの高いもの。シリーズものやシークレット。
そう、大人がコレクションしてしまうほどに精巧に出来たフィギュアなどが存在せるのである。さてこの物語のパンドラとは? ガチャガチャとは?

2 物語は(どのように始まっていくのか?)
都市伝説のような話から始まっていく。未だ見たことのないガチャガチャとなんだろか? どこに存在しているのだろうか? その中身は一体?!

本編に入り、主人公が大切な人を失う場面へと移る。ここからどう繋がっていくのだろうか?

3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。
・不思議なガチャガチャで、一時的な幸せを手に入れた主人公達。それぞれが引いたものが巧く繋がっている。悲しい物語であるが、やり残したことや想いを消化できた。素敵な物語だと感じる。
・短編集のようなスタイルなのかと思っていたら、意外な繋がりがあり纏まっている。
・絶望感があり、どん底までいって浮上するというのは凄いなと思った。
・まだこのガチャガチャに関わるのは二個のストーリーであるが、方向性が異なっており、これからどのようなことが起きるのか気になる。
・ガチャガチャに対しての発想に独創性を感じた。

4 公開部分の感想
それぞれにドラマがあると感じた。世にも奇妙な物語のようなホラーな部分もあるし、ヒューマンドラマのような部分もある。
初めは不思議な物語で、そのガチャガチャによってどんな体験をしたのか? という流れだと思っていた。しかし物語が進むとそういう単純なことではなく、不思議な力を遣わずとも自分たちで道を切り開いていくのがテーマなのではないか? と感じたのである。
ガチャガチャには夢が詰まっていると思う。その”夢”の部分にオリジナリティを出している。だがご都合主義で終わる話ではなく、ちゃんと自分に返って来るのだ。こういったモチーフを扱っている物語の中では、良いことも悪いことどちらかに傾くのではなく、両方起きるというのは、珍しいのかもしれない。

5 物語のその先を想像して
二話になって誰が物語の軸になっているのかわかって来る物語。
ここまで読んで思ったのは、物語の中心は人間ではなくガチャガチャなのかもしれない。ガチャガチャがどんなものなのかは、ここまでで明かされている。作った人物、もしくは産まれた理由などが今後明らかになるのではないかと想像する。

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