第81話 アウトレットに行こう
文字数 1,650文字
パリからアウトレットに行けると知って、智子と一緒に行くことにした。
アウトレットとパリを結ぶ直行バスがあって、それは便利だけれど、決まった時間に帰ることになるので、どこまで買い物するのかしないのか分からなくて、ちょっと不安だったので、電車で行った。
今のメトロやRERの車両がどうなっているのか分からないけれど、私の頃はメトロも年季が入っていたが、RERはさらに哀愁まで漂わせていた(気がする)。
パリ郊外線のRERは治安が悪いと言われていて、乗るたびに緊張する。でも私が乗った時は、哀愁を感じることは多分にあったが、そこまで治安が悪いと感じることは少なかった。ちょっとワルな少年が乗っていたりすることはあったが、別にこちらに何することもなく青春の風を吹かしているだけだった。
まぁ、ともかくRER線に乗ると言うだけで、ちょっと非日常を味わえる。それに乗って、えっちらおっちらとアウトレットの最寄り駅まで運ばれて行く。
「ブーツ買おう」
「いいのがあるかな」とワクワクしながら話していると、あっという間だ。
一人で行くと、ちょっと長く感じるかも知れない。二人で行くとあっという間だ。そして私たちは駅に着くと、
「まずは腹ごしらえ」となる。
なぜか、私たち二人にとって腹ごしらえだけは欠かせないイベントだ。
普通の女子なら、アウトレットに突撃なのかも知れないが、私たちはまず腹ごしらえ。
駅近くにあったブラッスリーに入る。今日のメニューは「コッコバン(鶏肉の赤ワイン煮込み)」
だ。一も二もなくそれを選ぶ。
そして楽しみにしていると、隣におじさんたちが喋りながら、食事を楽しんでいた。でもフランス語ではなく、不思議な言語だった。
私たちのコッコバンが運ばれてきた。鶏肉は柔らかく、こってり赤ワインで煮込まれてジューシーだった。
「美味しい」と黄色い声を上げる。
すると隣のおじさんが話しかけてきた。フランス語で。さっきまで話していたのは、何語だったんだろう? と思っていると、おじさんたちはベルギー人でフラマン語というオランダ語だった。
ベルギーの人はオランダ語もフランス語も話せるのだろうか。
どこから来たのかとか、どこに行くのかとか、そんなことを聞かれた気がする。日本人が珍しいのだろうか、色々話しかけてきた。向こうは三人、こちらは二人、合コンというわけには行かないが、フランスではたまに隣になったら、話かけられることが多かった。
ナンパのこともあるが、単に興味があるということが多い。それともう一つ、おすすめメニューを言ってくる。
「ここの店のこれは美味しいからぜひ食べなさい」という感じだ。
たまに店員に注文までしてくれることがあるが、支払いは普通にこっちだ。でもまぁ、現地の人のおすすめが食べれるのだから、それはそれでいいのかも知れない。
どうして隣の人が話しかけてくるのかというと、座るのも困難なほど、どのお店もテーブルが近いのだ。コロナでその距離はどうなったか知らないが、ぎゅうぎゅう詰めで座らさせられる。
本当にうっかり話しかけてしまうような距離だったりするのだ。
いや、立つ時、かなりの確率でぶつかるので「パルドン」は言う。ある意味コミュニケーションを絶対取らなければいけない距離なのだ。
おしゃべり好きだからなのかも知れないけれど、カフェやブラッスリーのテーブルの距離は近い。
ご飯を食べて、おじさんたちと別れて、買い物に向かう。
買い物はやはり「女性は買い物好き」という通り楽しかった。お目当てのブーツも買えたし、一通り買い物をして、帰りもまたRERに乗って帰る。郊外線の哀愁が気にならないほど、ハイテンションで帰ってきた。
RERは気をつけて乗って、でもアウトレットはなかなか楽しいので、マストではないけれど、行けたら行ってもいいかな、と思う場所。パリディズニーが近くにあるらしいけれど、あれは…、まぁ、すぐ見て回れるから…行きたい人は行ってもいいけれど…。その可愛らしい規模に慄くはず。
アウトレットとパリを結ぶ直行バスがあって、それは便利だけれど、決まった時間に帰ることになるので、どこまで買い物するのかしないのか分からなくて、ちょっと不安だったので、電車で行った。
今のメトロやRERの車両がどうなっているのか分からないけれど、私の頃はメトロも年季が入っていたが、RERはさらに哀愁まで漂わせていた(気がする)。
パリ郊外線のRERは治安が悪いと言われていて、乗るたびに緊張する。でも私が乗った時は、哀愁を感じることは多分にあったが、そこまで治安が悪いと感じることは少なかった。ちょっとワルな少年が乗っていたりすることはあったが、別にこちらに何することもなく青春の風を吹かしているだけだった。
まぁ、ともかくRER線に乗ると言うだけで、ちょっと非日常を味わえる。それに乗って、えっちらおっちらとアウトレットの最寄り駅まで運ばれて行く。
「ブーツ買おう」
「いいのがあるかな」とワクワクしながら話していると、あっという間だ。
一人で行くと、ちょっと長く感じるかも知れない。二人で行くとあっという間だ。そして私たちは駅に着くと、
「まずは腹ごしらえ」となる。
なぜか、私たち二人にとって腹ごしらえだけは欠かせないイベントだ。
普通の女子なら、アウトレットに突撃なのかも知れないが、私たちはまず腹ごしらえ。
駅近くにあったブラッスリーに入る。今日のメニューは「コッコバン(鶏肉の赤ワイン煮込み)」
だ。一も二もなくそれを選ぶ。
そして楽しみにしていると、隣におじさんたちが喋りながら、食事を楽しんでいた。でもフランス語ではなく、不思議な言語だった。
私たちのコッコバンが運ばれてきた。鶏肉は柔らかく、こってり赤ワインで煮込まれてジューシーだった。
「美味しい」と黄色い声を上げる。
すると隣のおじさんが話しかけてきた。フランス語で。さっきまで話していたのは、何語だったんだろう? と思っていると、おじさんたちはベルギー人でフラマン語というオランダ語だった。
ベルギーの人はオランダ語もフランス語も話せるのだろうか。
どこから来たのかとか、どこに行くのかとか、そんなことを聞かれた気がする。日本人が珍しいのだろうか、色々話しかけてきた。向こうは三人、こちらは二人、合コンというわけには行かないが、フランスではたまに隣になったら、話かけられることが多かった。
ナンパのこともあるが、単に興味があるということが多い。それともう一つ、おすすめメニューを言ってくる。
「ここの店のこれは美味しいからぜひ食べなさい」という感じだ。
たまに店員に注文までしてくれることがあるが、支払いは普通にこっちだ。でもまぁ、現地の人のおすすめが食べれるのだから、それはそれでいいのかも知れない。
どうして隣の人が話しかけてくるのかというと、座るのも困難なほど、どのお店もテーブルが近いのだ。コロナでその距離はどうなったか知らないが、ぎゅうぎゅう詰めで座らさせられる。
本当にうっかり話しかけてしまうような距離だったりするのだ。
いや、立つ時、かなりの確率でぶつかるので「パルドン」は言う。ある意味コミュニケーションを絶対取らなければいけない距離なのだ。
おしゃべり好きだからなのかも知れないけれど、カフェやブラッスリーのテーブルの距離は近い。
ご飯を食べて、おじさんたちと別れて、買い物に向かう。
買い物はやはり「女性は買い物好き」という通り楽しかった。お目当てのブーツも買えたし、一通り買い物をして、帰りもまたRERに乗って帰る。郊外線の哀愁が気にならないほど、ハイテンションで帰ってきた。
RERは気をつけて乗って、でもアウトレットはなかなか楽しいので、マストではないけれど、行けたら行ってもいいかな、と思う場所。パリディズニーが近くにあるらしいけれど、あれは…、まぁ、すぐ見て回れるから…行きたい人は行ってもいいけれど…。その可愛らしい規模に慄くはず。