第35話 お一人様ディズニーランドパリ

文字数 909文字

 土日はパリで家探し、平日は学校。日曜のトゥールは何も無いので、まぁ、パリで家探してる分にはちょうど良かった。

 智子は南仏から来ているので、そうそうパリに来れないので、私が部屋を主に探すことになった。

 日曜日にディズニーランドに行くと言うメキシコ人が「一緒に行こう」と誘ってきた。
「パリにいるけど…ディズニーは」
 そういう年齢でもないし、そんなに興味もなかった。
 しかしなぜか
「アジャと行きたいの」
「思い出に」
「お願い」
「だってもうすぐ私たちメキシコに帰るんだよ」
「お願い、一緒に行こう」と熱烈に誘われた。

「うーん。分かった」
 根負けして、行くと言ったが、私は土曜からパリで部屋探しするので、現地集合となった。お互い何時になるかわからないと言うので、携帯番号を教えてもらって、当日連絡を取ることにした。

 その日の部屋探しについては後日またまとめて書くけれど、私は日曜日に一人でディズニーランドに向かった。そして到着して、電話をしたが全く繋がらない。
「えー? もう帰ってもいい?」と思ったけれど、熱心に懇願されたので、とりあえずチケットを買って、入ってみることにした。

「わぁ、広そう」と思っていると、すぐに奥についた。
「え?」と地図を見ると、もう自分は地図上で入り口から一番遠くの場所にいた。
(待って、待って。枚方パークより狭くない?)

 そして繋がらない携帯。私は一人で適当に見て回った。メリーゴーランドとか乗ったような気がする。二時間いて、電話をかけたが繋がらず、留守電にもならず、とりあえず、行ったから、まぁいいかと一人で帰ってきた。

 家に戻るとまだメキシコ人たちは帰ってきてなかった。夜遅くに帰ってきたメキシコ人に
「ディズニー行ったんだけど」と言うと
「え? ほんと?」と驚かれた。
(おいおいおいおい)
 驚くことに、驚くわ、と思いつつ、あの懇願はメキシコ流社交辞令なのか? 
「ごめんー」と謝ってくれたが、一体、何だったんだろうとは思ったけれど、なぜか怒る気すら起こらなかった。

 その話を翌日ヤスに言うと
「姐さん、一人で、ディズニーとか。メリーゴーランド乗った? 一人で?」と大爆笑された。
 こいつには正直腹が立った。
















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