第67話 おしゃれセンサーがなくて残念

文字数 1,286文字

 ゲイはおしゃれ…という謎の思想があったりしますが、まぁ、センス良さそうな気がしませんか? 勝手な思い込みですが。

 ゲイ友達を欲しいと女性が思う人もいるらしく、ファッション的なアイコンとして「私、ゲイの友達いるの」みたいなことを言ったり…するとかなんとか。私はセックスアンドザシティを見ていないから、なんとも言えないのですが。ゲイと簡単にはお友達にはなれない気がしております。っていうか、まぁ簡単に、同性同士でもお友達ってなかなかなれないですよね。

 さて、フランスのマレ地区はおしゃれスポットであり、ゲイ地区でありました(今でもそうかな?)。
 でも私にはパリはどこもおしゃれスポットなので、実際はマレが特別おしゃれ? とは分からない、おしゃれセンサーが抜けている人種なのでございます。
 そんな私もそれでもおしゃれスポットに行きたくて、マレ地区に行くのですが、まぁ、ぷらぷら歩くものの、特におしゃれが分からぬまま歩きます。
 で、結局入った店は「ロキシタン」。パリでよく見るロキシタンのマレ地区のお店に入ってみました。
 ロキシタンはマレ地区であろうが、どこであろうが、南仏を彷彿とさせる眩い黄色の壁。石鹸でも買おうかなぁと思って、いろんな匂いがあったので、見ておりました。
 その時の私はショートカットでジーパンでした。その後ろ姿でウキウキと近づいてきた店員が
「なぁにか御用はございますかぁ」と聞いてきました。
 特に用はないのですが
「この石鹸の匂いはなんですか?」と聞かれたので、聞きました。
 ウキウキしていた空気が一瞬で消されて、
「ローズ」とぶっきらぼうに息を吐いて、去って行きました。
 彼は私をアジアの男の子だと誤解したようでした。
 いやいやいやいやいやいや。
 私、騙そうとかそういうつもりじゃないから。勝手に誤解しておいて、なんでそんな態度なのでしょう? 解せませんでした。

 そのローズの石鹸を買いましたけれども。

 なんというか…。ゲイ=優しいって思えなかった経験でございます。もちろん優しい人もいるでしょう。だって人間だもの。それは一括りにできないものでございます。とはいえ、このインパクトが強くて、わざわざ友達を作りたいとはならなかったのです。

 そんなわけで、私はゲイの友達も、異性の友達もおりませんし、同性の友達も少ない人間なのですが、それでいいと思っております。ファッションで友達とか…疲れませんか? お互いに。

 おしゃれな街がちっとも分からないダサい私なので、感覚もダサいかもしれませんけれどね。

 でもフランスでは同性愛者がとっても多く、最近は日本でもちらほら見かけますが、パリではとても堂々としております。

 ただなんとなくあるイメージのイケメン(パリのイケメンはゲイという謎の呪文)同士だけでなく、普通のおじさん、おばさん同士が仲良く、それは異性間の恋人も同じですが、公衆の面前でキスをしておられます。

 自分を偽ることなく、誰の目も気にせず生きれる場所は素敵だなぁと、思いました。そういう意味でもフランスは日本より自由で、私も気楽になれた場所だったと言えます。











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