終焉 之 示唆
文字数 1,143文字
その送電塔から直接引き込まれた高電圧の電気が、遮断されてなお異臭と煙りは収まらず立ち上り続けた。
三佐に伴われて穴の
すり鉢状の穴には電線ネットが広がっている以外に異変はない。
だが中央に
白のワンピースが黒焦げになり皮膚が暗い灰色と化した呪いの女がまだもがいていた。
六万ボルトでも
いいや、そもそも命がないのだ。それを殺そうというのが間違っていると思った。
そのことも考慮してありますと特殊部隊の指揮官に言われた。
どうするの!?
ここの穴底で電流を流し続けるわけにもゆかないだろうと困惑しながら送電ネットの下で
翌日、海上自衛隊護衛艦隊第十一護衛隊
常時四人の武装した陸上自衛隊陸上総隊特殊作戦群第一中隊の隊員らが見張るヘリコプター
白いワンピースの女は高圧電気を流されてからというもの大した身動きができず
鋼鉄でしかも手足の動かす寸分の余裕ない鋼鉄の箱だからといって自衛隊は楽観視していなかった。
まもなく
鋼鉄の
女は死ぬこともできず、動くこともできずこの先私が寿命を迎えるずっと先まで海底に横たわるのだ。
私なら数ヶ月で発狂するだろう。
艦尾の水流がおさまり速度が落ちてゆく。
投棄地点に来たのだ。
戻ってくるな!
ー了ー
最後までお読みくださりありがとうございました。
呪いが一方的であるという点ではストーカーも同じでしょう。人は誰でも悪意があるなしに関わらず押しつけがましい行為を嫌います。その泥沼にはまったような状況を抜け出られるかそうでないかは深い帷(とばり)に呑み込まれてしまいます。
引き続き
めくった先に