第10話 姫君の到着
文字数 476文字
タジク国第一王女・アディーナ姫の一行は予定通り、泉翔の港に到着した。
大勢の護衛の兵に付き添われ、国の威信をかけた豪華な婚礼道具も一緒である。
姫は今夜は街で一番の豪商の家に泊まり、明日、水軍の船でサマルディン王国へと出発する。
山ほどの婚礼道具はすべて、今日中に船に積み込んでおかなくてはならない。
そちらの手配は勇駿にまかせ、阿梨は姫の滞在する館へと向かった。
今回の依頼、サマルディン王国のある西の大陸まで送り届ける「花嫁」に挨拶するためである。
館で通されたのはシャンデリアと絹のタペストリーで飾られた豪奢な応接間。
侍女たちにかしずかれて、部屋の中央にアディーナ姫はいた。
裾の長い白いドレスの上に花模様の刺繍をほどこされた短めの上着──タジクの民族衣装を身にまとい、ゆったりと長椅子に座っている。
年齢は十七歳。透けるように白い肌、結わずに背に流した輝く金の髪、緑の瞳。可憐でありながら華やかな、まさしく花のような美姫である。
大勢の護衛の兵に付き添われ、国の威信をかけた豪華な婚礼道具も一緒である。
姫は今夜は街で一番の豪商の家に泊まり、明日、水軍の船でサマルディン王国へと出発する。
山ほどの婚礼道具はすべて、今日中に船に積み込んでおかなくてはならない。
そちらの手配は勇駿にまかせ、阿梨は姫の滞在する館へと向かった。
今回の依頼、サマルディン王国のある西の大陸まで送り届ける「花嫁」に挨拶するためである。
館で通されたのはシャンデリアと絹のタペストリーで飾られた豪奢な応接間。
侍女たちにかしずかれて、部屋の中央にアディーナ姫はいた。
裾の長い白いドレスの上に花模様の刺繍をほどこされた短めの上着──タジクの民族衣装を身にまとい、ゆったりと長椅子に座っている。
年齢は十七歳。透けるように白い肌、結わずに背に流した輝く金の髪、緑の瞳。可憐でありながら華やかな、まさしく花のような美姫である。