第81話 おまけエッセイ 海の都の宿探し3

文字数 640文字

 当然、ホテルのサイトにはいいことしか書いてありません。口コミ情報、特に評価の低い口コミが真実を教えてくれます。
 しかし当たりをつけた宿の口コミを、一軒ずつチェックしていく作業の手間と時間のかかること……阿梨ならずともノートパソコンを放り投げたくなります。

 かくして勇駿は愛する阿梨のために、
 比較的手頃な値段で、窓から運河が見えて、水上バス停からあまり遠くなくて、部屋の広さが20㎡以上はあって、エレベーターで上階まで荷物が運べて、バスタブ付きでちゃんとお湯が出て、床が傾いてなくて、壁が薄くなくて窓も防音で周囲の物音が響かない宿を、忍耐強く探す羽目になるのでした。

 勇駿が予約サイトを探し回って見つけたホテル「ブチントロ」(中央の建物)
 上記の条件をほぼ満たす、静かで快適な宿。




 ジュニアスイート。同じカテゴリーでもバスタブのある部屋とシャワーだけの部屋があるので、予約時に注意。




 遠くにサンマルコ広場の鐘楼が見え、少し距離があるけど徒歩でも行けます。




 二人の「はねむーん」に幸あれ……♡



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登場人物紹介

阿梨(あり)


羅紗国の王女にして水軍の美しき長。結婚して母となっても、変わらず颯爽と水軍を率いている。

勇駿(ゆうしゅん)


公私共に阿梨を支える夫。阿梨と子供たちをこよなく愛している。

梨華(りか)


双子の妹。母譲りの容姿と武術の才能を持つ。勝気な性格でいつも兄を振り回している。

勇利(ゆうり)


双子の兄。学問には秀でているが、ちょっと気弱。常に妹に押され気味。

勇仁(ゆうじん)


勇駿の父。以前は長の補佐として采配をふるっていたが、今は孫たちの教育がもっぱらの生きがい。

アディーナ姫


タジク国第一王女。二つの国の絆を深めるために海を渡る花嫁。金髪と緑の瞳の、美しく優しい姫君。

寄港地のフローレスでひと時の自由を願う。

ケイン


荒事屋。名の通り、目的のためなら荒っぽい手段も辞さない裏社会の人間だが、殺しはやらないのが信条。

ラルフ


ケインの相棒。孤児だった自分に手を差し伸べてくれたケインに恩義を感じ、行動を共にしている。

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