66

文字数 405文字

 それからも嫌がる一郎を何とかなだめて学校に行かせた。

 一郎が言うには、健太は休み時間の先生の目の届かない廊下やグラウンドで一郎を蹴ったり叩いたりしているらしい。

 そのことを再度担任に話すも、

「私も一郎君のことばかりをずっと見ている訳にもいきませんのでねぇ」

 と開き直ったような態度を取った。妖怪並みのデブはブサイクで、まるで怒った豚のような顔をしている。

 頭にきたマリアは、校長室に行き、訴えた。

「再度担任にも確認しますが、今まで担任から苛めがあるという話を聞いたことがありませんし、あのクラスは仲の良いクラスだと評判ですし、まぁお母さん、もしそういう事実があれば、私が責任もって対処しますから、学校に任せちょって下さいよ」

 ハゲの上にタヌキのように腹の突き出た校長はそう言ったが、その後何の動きもないままだった。

 教育委員会に相談しても「学校に事実確認をしますから」と言うだけで、何の解決にもならなかった。




ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み