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文字数 320文字

 マリアは、専業主婦として全ての事をそつなくこなした。

 料理は上手く、きれい好きで、思った以上に家庭的だった。

 淳之介は、エプロン姿で炊事をするマリアの背後にこっそり立ち、後ろからよく抱きしめる。

「何しようがよバカッ、今忙しいがやけん、ビールでも飲みよったや」

 とマリアも嬉しそうに言う。

 ある時、淳之介がマリアに、

「子どもは最低三人は欲しいにゃ」

 と言うと、

「ワタシは、九人産んで、子どもだけで野球チーム作るのが夢ながやけんど」

 とマリアがまじな顔で言う。

「九人産むゆうたら、二年に一人ずつとしたち、十八年ばぁかかるけんど、ちょっと大変やないか」

 と淳之介が言うと、

「なぁーに、へっちゃらへっちゃら」

 とマリアが意に介さず、笑って言う。
 



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