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文字数 314文字

 ある時は、マリアの家の裏山に登り遊んだ。

 途中の獣道でマムシが出たら、マリアは杖代わりに持っていた棒切れで、マムシの頭を押さえ、そのまま手でつかんだ。

「ほら、ほら~」

 と言い、淳之介にマムシを近づける。

「止めれよ、バカ~」

 と淳之介は飛び逃げる。

 恐がる淳之介をからかってマリアが喜ぶ。

 ヘビ嫌いの淳之介には、マムシを手でつかむマリアが信じられない。

 二人は山頂まで登り、海を眺めながら、マリアが作ってきたおむすびを食べた。

 その後、山に咲いている野草をとった。

 マリアは、どの野草が食べられるか知っている。

 小学校低学年の頃父親と来て、とっていたらしい。

 淳之介にはマリアが野生児のように見える。この上なく可愛い野生児に。

 


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