20
文字数 493文字
マリアはそんな頃、沈んだ顔で家のことを話し始めた。
「ワタシね、おかあさんの子じゃないがよ。
本当のおかあさんが死んで、おとうさん今のおかあさんと再婚したが。
今のおかあさんも最初は優しかったけど、弟ができたけん、ワタシはいらん子になったがよ。
やけんいつもおかあさんにぶたれて、意地悪されようが。
おとうさんが生きていた頃は、ワタシを助けてくれたけど、死んじゃったし……。
だけどワタシおかあさんのこと恨んでないがよ。
おかあさん病気やし、おとうさんが死んでからもワタシを育ててくれようけんね。
やけんワタシ、実業団に入って、将来はオリンピック選手になって、おかあさん助けようと思いよったがに、走れんなって……」
マリアは話しながら涙ぐんだ。
「だけど、中学生になって淳之介に会えたけん本当に良かった。
だって、いつも淳之介がワタシに優しくしてくれるけん、ワタシそれだけで元気になれたがよ……」
マリアの瞳から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
淳之介はマリアの顔をハンカチで拭きながら、
「なんで泣くんだよ。
マリアが泣くと、オレまで哀しくなるやいか……」
と淳之介も涙ぐんでいる。
「ワタシね、おかあさんの子じゃないがよ。
本当のおかあさんが死んで、おとうさん今のおかあさんと再婚したが。
今のおかあさんも最初は優しかったけど、弟ができたけん、ワタシはいらん子になったがよ。
やけんいつもおかあさんにぶたれて、意地悪されようが。
おとうさんが生きていた頃は、ワタシを助けてくれたけど、死んじゃったし……。
だけどワタシおかあさんのこと恨んでないがよ。
おかあさん病気やし、おとうさんが死んでからもワタシを育ててくれようけんね。
やけんワタシ、実業団に入って、将来はオリンピック選手になって、おかあさん助けようと思いよったがに、走れんなって……」
マリアは話しながら涙ぐんだ。
「だけど、中学生になって淳之介に会えたけん本当に良かった。
だって、いつも淳之介がワタシに優しくしてくれるけん、ワタシそれだけで元気になれたがよ……」
マリアの瞳から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。
淳之介はマリアの顔をハンカチで拭きながら、
「なんで泣くんだよ。
マリアが泣くと、オレまで哀しくなるやいか……」
と淳之介も涙ぐんでいる。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
(ログインが必要です)