４３

文字数 219文字

「ヒデキってよ……」

　淳之介とミキタが何時ものように、放課後教室でダラダラしている時、ミキタが突然言った。

「何っ？」

　淳之介が聞き返すと、ミキタは言いにくそうに、

「ほら、マリアが付き合いようって噂の男よ、Ｎ農高の３年で、Ｎ市ではケンカが強くって有名らしい。
　で、ヒデキってＮ市にある老舗の旅館のボンボンらしいがやけんど、ケンカが滅茶苦茶強いうえに男前やし女子にはやさしいけん、すごいもてるらしいがよや」

「……」

　淳之介は黙ったままだった。

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