76

文字数 510文字

 マリアは、議員として活動するための知識を改めて山本から教わった。

 予算書・決算書・条例・規則等の見方からはじまり、現市長になって次々とハード事業を実施した結果、どれだけ起債(国からの借金)が膨らんでいるか、このままいけば近い将来再建団体に陥りかねないこと。

 公共事業の全てを市長派の業者が受注している。競争入札の際、山田建設はじめ市長派の業者が順番に落札している現状に、最低制限価格がそれらの業者に漏れているのではないかという疑惑が、反市長派の業者や市民から噂されていること。

 談合疑惑について調査するよう市民団体が市に訴えるも、そういう事実はないし検証する機関もないと相手にしなかったとのこと。

 又、市長と今までに噂になった女性職員(それらがパワハラ疑惑を生んでいる)との関係等、ありとあらゆる情報を山本から聞いた。

 それらの疑惑に関する問題点を、山本は繰り返し定例議会の一般質問で市長に糾弾してきたが、面の皮の厚い森市長にのらりくらりとかわされてきたのである。

 マリアは、過去の議事録を何度も何度も読み返した。議事録を読むうちに、森市長に対する更なる怒りがふつふつと湧き上がり、このまま済ませてなるものかと思った。




ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み