４０

　淳之介は、マリアが不良になっても、絶対に弱い者苛めはしないだろうと思っている。

　マリアは、どんなにぐれても、心を汚しはしないと信じていた。

　それにしても淳之介には、恋焦がれて忘れられなかったマリアの変貌ぶりが、正直今だに信じられず、現実を受け入れられない。

　あの天使のようなマリアにもう一度会いたい。

　それはもう不可能なことかもしれないと思いながら、どうしてもあきらめきれない自分がいる。

　しかし淳之介は、マリアがどんなに変わり果てても、マリアへの思いが少しも色褪せることはないと信じているし、許していこうと思った。