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文字数 241文字

 翼の折れた天使に笑顔が戻らないまま中学一年が終わり、春休みを迎えた。

 このところ、休日にマリアと遊んでいない。

 ひさかたぶりに、マリアの三月三十日の誕生日祝いにと、ショートケーキを買ってマリアの家に行った。

 マリアの喜ぶ姿を思い描き、自転車のペダルをこいだ。

 一時間余りでマリアの家に来てみると、どうやら家に人のいる気配がしない。

 淳之介は何度も玄関で声を掛けるも、返答が無い。

 その様子を見ていた隣の家のおばさんが、

「あ~安倍さんねぇ、三日程前に引っ越したみたいよ」

 と言った。




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