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文字数 405文字

 マリアは、議会の中で孤立無援の状態が続いていた。

 そんな頃、一匹狼の山本が、

「オレは、派閥に属さん変わり者と言われようけんど、阿部さんの姿勢に共感しちょう。
 もうあなたも十分にわかっちょうろうけんど、ここにはまともな議員は一人もおらん、市長や派閥の長老におもねるバカばっかりで話にならん。
 二年の間、阿部さんのことを見てきたけんど、あなたは本物や。やっと骨のある議員が出てきてくれて、オレも嬉しいよ。
 今からは、オレが協力できることは何でもするけん、共に頑張ろう」

 と声をかけてきた。

 山本は、県庁を早期退職して市会議員になった。

「県庁時代から、オレは上にたてつく変わりもんやって、労働組合の活動ばかりしよったけん、出世はようせんかったけんどね」

 と山本が笑って言った。

 県庁を退職後、生まれ故郷である本市に帰省したが、森市長の市政運営に我慢ならず、何とかして市を変えたいと市会議員に出馬し当選したのである。




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