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文字数 257文字

 マリアは転入手続きが終わると、

「じゃあ、淳之介、約束通り結婚しよう!」

 と大きな声で言った。

 淳之介は真っ赤になりながら慌ててマリアを庁舎外に連れ出した。

「マリア、又、もんてきてくれたがやにゃ」

 淳之介が嬉しそうに言う。

「そうよ。二十歳になったら結婚するって約束しちょったけんね。
 約束破ったら、淳之介に殺されるかもしれん思うて、必死に帰って来たがやけん」

 マリアが屈託なく笑う。

「淳之介の誕生日がもうすぐやけん、早うせんと淳之介が二十一歳になるけん思うてね」

 淳之介の十一月十五日の誕生日が、来月に迫っていた。




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