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文字数 810文字

 一郎 
 じゃあ、次郎は飛ばして、ボクとおばあちゃんで続けよぅよ。
 ヘビが迷路のような道を進んで行くと、やがて行き止まりになり、それから先へ進むことが出来なくなりました。
 マリアもこれから先ヘビがどうするのかと思っていたら、ヘビが突然大男に変身したのです。
 大男は持っているハンマーで壁を叩き始めました。
 壁をぶちぬくとそこには白い着物を着た女の幽霊が立っていました。
 マリアはゴキブリとヘビが大嫌いでしたが一番嫌いなものは幽霊だったのです。
 大男は幽霊に、
「後はまかしたぞ」
 と言って消えてしまいました。
 幽霊の女はさっきからマリアをじっと見ているのですが何も言いません。
 はい、おばあちゃん。

 おばあちゃん 
 マリアが震えて立っていると、
「心配しないで、私があなたを元の場所につれて行ってあげるから」
 と言いました。
 マリアは怖いのと嬉しいのとが一緒になって泣いてしまいました。
 女の幽霊が、
「これを舐めなさい」
 とアメダマを一粒マリアに差し出しました。
 マリアが、
「これには毒は入ってないですよね?」
 と聞くと、
「そのアメダマを舐めると、あなたも私のように壁でもなんでも通りぬけるし、空だって飛べるのよ。
 それを舐めないとおなたはここから永久に出ることができないのよ」
 と女の幽霊が言いました。
 マリアは、
「体が小さくなったりはしないですよね?」
 と聞くと、
「大丈夫だから早く飲みなさい。
 ぐずぐずしていると、妖怪が現れて食われてしまうよ」
 と女の幽霊が言うと、マリアは決心してアメを舐めました。
 すると体が宙に浮いたのでマリアが驚いていると、
「その効果があるのは十分だけだから説明している暇はないの、私の後についていらっしゃい」
 と女の幽霊が壁をぬけて行ったのでマリアもその後に続いて壁を通りぬけました。
 マリアは「すごい」とビックリしている暇はありません。
 十分の間にここから脱出しなければならないのですから。



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