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文字数 509文字

 淳之介は、マリアの攻撃的過ぎる激しいやり方に内心冷や冷やし、もう少し抑えるよう助言することもあるが、マリアは全く聞く耳を持たない。

 マリアの性格上、悪事を看過できないのはわかるが、最初から喧嘩腰ではなく、もうちょっと穏やかなやり方というか何か別の方法もあると思う。が、マリアに上手くやれと言っても、無理なのである。

 職員の多くが市長派に属しており、マリアが市長を厳しく批判するため、淳之介は市長派の管理職等から無視されたり、嫌味を言われるようになった。淳之介は、黙って耐えた。

 淳之介にしても、現在七期目に突入している市長の強引な手法や、派閥の者だけを重用する姿勢には、不満がある。

 淳之介やミキタは、市長にゴマすってまで、出世したいとは思っていない。が、多くの職員は、人より早く出世したいと派閥に属し、イエスマンになっている。

 どう言うわけか、皆、肩書とかに弱いんだよね。死ぬまで肩書をぶら下げて、人より優位に立って、偉ぶりたいんだろうな。
 公務員って、憲法では全体の奉仕者と定められているけど、そんなこと職員の多くは建前ぐらいにしか思っておらず、実際は自己保身に走るだけのクソみたいな姑息な人間の集まりなんだね。




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