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文字数 318文字
次郎のソフトボールの試合には、淳之介とマリアは何処にでも応援に行った。
マリアは、どの保護者よりも大きな声で応援する。二〇〇メートル先まででも、その声は届きそうだった。
ピッチャーをしている次郎が、フォアボールを出すと、
「打たせろ、打たせろー!
どまんなかに投げたち、よう打たせんけん!」
と叫び、ヒットを打たれたら、
「まぐれや、まぐれー!」
とベンチの誰よりも大きな声を出す。
試合のあった夜、家で食事をしながら、
「それにしても、かあちゃんの声、でか過ぎ」
と次郎が笑って言う。
一郎が中学二年生の時、大好きだったおばあちゃんが病気で死んだ。
葬式の時、一郎は肩を震わせ泣き続けた。
その姿を見て、淳之介はもらい泣きをしたのである。
マリアは、どの保護者よりも大きな声で応援する。二〇〇メートル先まででも、その声は届きそうだった。
ピッチャーをしている次郎が、フォアボールを出すと、
「打たせろ、打たせろー!
どまんなかに投げたち、よう打たせんけん!」
と叫び、ヒットを打たれたら、
「まぐれや、まぐれー!」
とベンチの誰よりも大きな声を出す。
試合のあった夜、家で食事をしながら、
「それにしても、かあちゃんの声、でか過ぎ」
と次郎が笑って言う。
一郎が中学二年生の時、大好きだったおばあちゃんが病気で死んだ。
葬式の時、一郎は肩を震わせ泣き続けた。
その姿を見て、淳之介はもらい泣きをしたのである。
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