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文字数 294文字

 マリアが学校を去ってから三年が過ぎた。

 淳之介は高校を卒業後、ミキタと一緒に地元の市役所に入職し、今は市民課の戸籍係で窓口業務を担当している。

 そんなある日のこと、マリアがひょっこり淳之介の前に現れた。

「アレ? 淳之介?
 久しぶりやん。
 ワタシのこと、忘れちょらんよね。忘れちょったら、許さんけんね」

 マリアはそう言って、笑った。

「淳之介が市役所で働きようなんて知らんかったちや。
 けんど、淳之介って、確かに公務員って感じがするもんね」

 この市に再び戻ってきたマリアが、転入手続きに市役所にやって来たのだ。

 三年振りに見るマリアは、憑き物が落ちたように可愛らしい元のマリアに戻っている。




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