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文字数 389文字

 マリアが淳之介にそのことを話すと、

「あの山田建設の社長の父親が、昔から市長の後援会長をしたりして、息子の社長もその流れで市長や教育長とはゴルフ仲間で、しょっちゅう飲みようみたいやしね。
 そやけん社長は役所に来ても太い顔して、市長室にもアポなしで入るらしいよ」

 と淳之介が言った。

 現在七期目の森市長は、権力をかさに着て、業者である支持者等との癒着は、広く市民の知るところである。
 教育長や校長も市長に腰巾着のようにくっついて離れないのである。

 担任の夫は水道業者であり、親の代から市長派で市長とは昵懇の仲であり、山田建設とも親密な関係にあった。

 山田建設の社長の子どもである健太が、苛めをしても、担任はじめ校長が見て見ぬふりをするのにはこういう背景があるからなのである。

 マリアはそれらの関係性を知るにつけ、「ふざけるな! 今に見よれよ」と、闘争心をメラメラと燃やすのである。




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