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文字数 414文字

 派閥に属さない淳之介やミキタは、役所内で変わり者のレッテルを貼られ、派閥の職員からはのけ者にされている。

 同期で入職した淳之介とミキタ以外は、派閥から飲み会やゴルフに誘われ参加する内、何時の間にか派閥のメンバーに加わっていた。

 淳之介とミキタも、飲み会に一度誘われ参加したことがある。

 その飲み会は、職員の派閥の中心者である、総務課長の間口が音頭を取り、定期的に行われているもので、そこには議員のボスである宮田も参加していた。

 その時、宮田から、

「お前らも、この派閥に入って間口のいうこと聞きよったら、ゆくゆくはオレらぁが課長に推薦しちゃうけん」
 
 と、淳之介とミキタに言った。

 淳之介とミキタは間口が嫌いだったし、派閥の中心者と言われるメンバーがことごとく嫌いだった。

 間口や宮田のような輩がいる限り組織は良くならない。こいつらにも、そんな生き方を教えた先輩がいて、それを又後輩に引き継ぐという悪しき連鎖が止まないのである。




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