３０

　マリアは転校した中学でひどい苛めにあった。

　中三になった頃から身長も伸び、体格的にも劣らなくなったマリアが、苛めっ子達不良に立ち向かい、毎日喧嘩をした。

　次々と喧嘩に勝ち、苛められることは無くなったマリアだったが、その頃からぐれ始めた。

　母親にも反抗し暴力を振るう等、手が付けられない不良になった。

　この高校に転校して来たのも、母親と大喧嘩して家を飛び出したからだ。

　マリアは当初、この市に住む父方のオジの家に下宿していた。

　淳之介はマリアと再会した時、軽く挨拶を交わしたが、前みたいに話も弾まない。

　無邪気で明るかったマリアは、全く別人になってしまった。