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文字数 444文字

 父も当初は借金の額が四千万程度と思っていたが、実際は倍の八千万だったため、驚いた。

 連帯保証人のことは母は知らなかったため、そのことを聞かされた時、

「何とかなるちや!
 私も働いて助けるけん、大丈夫、心配せんでもええよ」

 と言って、落ち込む父を励ましていた。

 父はこのこともあり、健康状態(抑うつ状態)が更に悪化し、市役所を長期間休職するようになった。

 父は元々市役所の体質が合わなかったため、早くから資格試験に挑戦していた。組織のコマとして働くより一国一城の主として独立開業を夢見ていた。

 司法書士を開業している親戚からも、

「お前が土地家屋調査士を取れば、オレとパートナーを組んで仕事ができる」

 と言われていた。

 親戚は大学の法学部を出て十年ほど司法試験に挑戦していたが、結局受からずに司法書士に鞍替えし、二回目で合格したのである。 

 父も当初は司法書士を目指していたが、独学での取得はハードルが高すぎると、土地家屋調査士を目指すことにした。

 その前に行政書士試験を独学で合格していた。



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