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文字数 531文字

 一郎 
 その部屋でしばらく眠ってしまったマリアが目を覚ますと、そこにヘビがいたのです。
 マリアはゴキブリも嫌いだけどそれ以上にヘビが嫌いです。
「ギヤー」と叫んでとび逃げようとすると、
「ちょっと待て、オレはオマエを助けにきてやったんだぞ」
 とヘビが言いました。
 マリアは恐る恐るヘビの方にふりかえりました。
「本当にあなたがワタシを助けてくれるの」
 とマリアが聞くと、
「そうだよ、タヌキのじいさんにたのまれて、しかたなく助けにきてやったんだよ。
 オレは昔、タヌキのじいさんに助けられている恩があるからな、ことわることができないんだよ」
 とヘビがそう言いました。
 はい、おばあちゃん。

 おばあちゃん 
「どうやってワタシを助けてくれるんですか?」
 とマリアが聞くと、
「ワシの後についてくればいい」
 と言って、ヘビがスルスルと道をはって行きました。
 マリアはヘビを見るのが怖かったけれど、へびの姿を見失うと大変だと思い、必死にヘビの後について行きました。
 ヘビは壁をはったり天井をはったりしながらどんどん進んで行きます。
 次、次郎ちゃんよ、あら、寝ちゃったみたいやねぇ。

 次郎 すーすーすー……。(リンゴを食べてお腹がいっぱいになった次郎は、気持ちよさそうに眠っている)




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