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文字数 324文字

 マリアはユーミンが好きで、特に「卒業写真」が好きだった。

 ある程度、練習を重ねた後は、各地区の夏祭りで行われるのぞ自慢にも積極的に参加した。

 マリアの歌声が野外の会場にのびのびと響き、聴衆から多くの喝采を浴びた。

 マリアは、市民の人気者になっていった。

 ある時は、地元テレビ局主催ののぞ自慢大会に参加し、準優勝にも輝いた。

 マリアは優勝できなかったことに不満気で、

「絶対、ワタシらの方が良かったちやね。
 審査員がおじいちゃんやったけん、演歌のおばちゃんの方が好みやったがやろうね」

 と笑って言った。

 コーラスでも、慰問活動で老人ホーム等を回ったりしていた。

 コーラスのメンバーは、おじいちゃんおばあちゃんが多かったため、若いマリアは可愛がられた。




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