74

文字数 462文字

 当然マリアは、派閥には属さなかった。

 群れて、他力本願で地位や安定を得たいとは、露程も思わない。

 それより、何とかして議会の旧態依然とした体質を変えたいと思った。

 そんな向こう意気の強いマリアを、派閥のベテラン議員達が、馬鹿にし鼻で笑っていた。

 マリアが初めて一般質問をした時、議員の中からヤジまで飛んだ。

 まだ質問の仕方も十分に解らないマリアが失敗すると、他の議員達がバカにしたように笑った。

 マリアはそんなことは屁とも思わないが、質問中、市長の横柄な態度に我慢がならず、かっとなり暴言を吐いた。暴言や失言が続くと議長から度々注意を受けたが、全く反省する気はない。

 二年が経った頃、態度を改めないマリアに業を煮やした長老達が、マリアへの議員辞職勧告を提出し、議決されたこともある。

 これは小学生の苛めのレベルである。田舎の市会議員なんてこの程度のクソみたいな連中の集まりである。

 しかしマリアはどんな嫌がらせにも屈しない。そういう輩達には絶対に弱みを見せないし、むしろ嫌がらせを受ければ受けるほど闘争心を燃やすのである。




ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み