第９３話 ジンの能力対ノームの能力
文字数 3,146文字
双子達とマチルダ、ベルが戦っていた頃、ベスとロシェルは荒れ果てた墓地の外れで、お互い離れた所で対峙していたのである。
そして、ベスがロシェルに話し掛けたのであった……。
「どうやって戦いますか？」
「そうね……。お互い、精霊の力を有しているから、小細工は無用よね……」
ロシェルがそう言うとベスも頷いていた。そして、彼女達はゆっくりとお互いの距離を縮めて行ったのである……。
そして、2人が間合いに入ると突然、風が吹き荒れたのであった。それは、ベスが精霊ジンの能力を使いロシェルに向かって突風を吹き付けたのであった。
「ぐっ……！」
その風に押されるかのようにしてロシェルは吹き飛び転がって行ったのだ……。彼女はそのまま吹き飛ばされて木に激突し地面に倒れてしまったのであった……。
そんなロシェルを見てベスは元の姿に戻り彼女に近付いて言ったのだった……。
「まだやりますか？」
すると、ロシェルはベスを睨み付けて言ったのである。
「ええ……もちろん！」
そして、立ち上がると彼女の体の周りには地の精霊による鉱石による防御障壁で守られていたのであった。そして、ロシェルはベスに向かって突っ込んで行ったのだ。
その立ち上がりに一瞬驚いたが、ベスも精霊の力を使ってロシェルよりも早く動き攻撃を避けたのである。
「速いわね……」
ロシェルは関心したように言ったのだが、ベスは涼しい顔をして彼女に言ったのである。
「そちらも頑丈ですね……」
そして、2人はまた間合いを取るとお互い睨み合っていたのだった。そして、彼女達は再び戦い始めたのである……。
ベスはジンの力を使い、つむじ風になりロシェルに向かって無数の風の刃を発射していたのだ。風の刃は鉱石の障壁に阻まれ、ロシェルに届く事はなかったのだ。
しかし、ベスは障壁を破ろうと風の刃を何度も放ち続けたのである。それはまるで、いつか鉱石を破壊出来るのではないのかと思われる程、続いたのである……。
ロシェルは鉱石の障壁を破ろうと必死になっているベスを見ながら言ったのである。
「しぶといわね……」
そして彼女は、いつまでも風の刃による攻撃に苛立ちを感じていたのであった。
そんな時、突然つむじ風が消えて行ったのだ……。
「？」
ロシェルは不思議に思いベスを見ると彼女は人の状態に戻りニヤリと笑って言ったのである。
「どうやら、お互い離れた距離で戦っても無駄みたいですね……」
「そうね……接近戦をするしかないわね……」
2人はお互いに見合うと、ゆっくりと距離を縮めて行ったのである。そして、2人が間合いに入った時ロシェルは呪文を唱えたのだ。
「大地の精霊よ土のゴーレムを作り出し敵に襲わせよ！」
すると、ロシェルの周囲の地面が盛り上がり土で出来たゴーレムが誕生したのだ。その数は数体にも及んだのである。
そして、ベスはその数に驚く事なく言ったのだった……。
「流石に数が多すぎますね……」
彼女の前に現れた数体のゴーレム達は次々と拳を構え襲い掛かって行ったのである。
ベスは、つむじ風となり次々とゴーレム達を撃退していた。しかし、土のゴーレムは破壊されても直ぐに再生して復活してくるのだった。
「このままでは、キリがないです……」
ベスはゴーレムを倒しながらも言った。そして、彼女は風の刃をロシェルに向けて攻撃したのだ。しかし、その風の刃はロシェルの障壁に阻まれてしまったのである。
「くっ……！」
今度はロシェルが舌打ちし言ったのだった。
「あんたもしつこいわね！」
そして、ベスは彼女に風の刃を何度も放ち攻撃した。しかし、その攻撃は鉱石の障壁を破る事が出来ず、ただ彼女の周りで霧散していくだけであった……。
2人の攻防は続く中、ロシェルが突然ある事を思い付いたのである。
彼女はニヤリと笑い言ったのだ。
「身動き出来ないようにしてあげるわ」
すると、ベスの周囲の地面が盛り上がり彼女を覆う様に囲んだのであった。
「くっ……」
ベスは、つむじ風になり逃げようとしたが、すぐに土の壁に行き詰まってしまった。
「逃げられないわよ！」
彼女は周囲を見渡し逃げ道を探していると突然、土の壁が閉じようとしてきたのである。そして、ベスの体が壁に押し潰されようとした時ロシェルが冷たい声で言ったのだ。
「もう終わりよ……」
しかし、ベスは潰される前に煙となり壁の圧死から脱出したのであった。そして、彼女はまた人の状態に戻るとロシェルに告げたのである。
「ジンの能力を舐めないで下さい！」
「しぶとい女ね……。でも、これはどうかしら？」
ロシェルはニヤリと笑って言ったのだ。
「大地の精霊ノームよ！ 大地と共鳴し破壊と爆発を起こさせよ！」
彼女は呪文を唱え大地に手を置いて集中していたのである。
すると、ベスの足元が振動し始めたのである。そして、彼女の足元は大きく振動していき、その揺れがどんどん大きくなっていったのだ。
「これは……」
ベスが驚いているとロシェルが言ったのだった。
「あんたをノームの力によって衝撃波で吹き飛ばすのよ！」
すると、地面の揺れで地中にある岩石が砕け散り、地面からベスに向かって砕けた石が吹き飛んで行くのであった。
「くっ！」
ベスは風になり逃げようとしていたが、やがて破壊の衝撃波に押し飛ばされて行ったのである。彼女は空中で体勢を立て直そうとして試みたが、結局耐えきる事が出来ずに吹き飛ばされてしまったのだ……。
そして、彼女は地面に叩き付けられてしまい倒れてしまったのであった……。ロシェルはそんな彼女を見て近付いて行き言ったのである。
「まだやる？」
すると、傷だらけのベスはよろよろと立ち上がりロシェルに言った。
「そうですね……。貴女を倒さないと終われないわ……」
ベスはフラフラになりながらも、ジンの力を使って戦闘態勢に入ったのであった。ロシェルはそんな状態になっている彼女に呆れながら、
「呆れたわ……。でも、これで最後よ！」
ロシェルは彼女に止めを刺そうと呪文を唱えたのである。
「大地の精霊よ！ 敵に岩石の雨を降らし打ち倒せ！」
そして、ベスに向かって岩石の雨が降り注ぐのであった……。
ベスはボロボロになりながらもロシェルに突っ込んでいったのだ。そして、彼女はジンの力を使い、つむじ風となり岩石の雨を躱していった。
しかし、避けきれずに何個かの岩石が彼女の体に当たったのである。それでも彼女は怯む事もなく突き進んで行ったのだった。
そして、ベスは満身創痍になりながらもロシェルの近くまで来た瞬間だった。
突然、つむじ風が彼女を巻き込み、そのまま彼女を押し上げ上空に向かって行ったのだ。彼女は空中に突き上げられながら上に行くと今度は下に向かって落下して行ったのだ。
その落下する先には空洞の岩盤が見えていたのである。
「！」
彼女は下の地面を見て驚いたのだ。そこは、ノームの能力で開けた大きな穴が空いた岩盤があり、そこに叩き付けられたらただでは済まない事は明白であった……。
ロシェルは驚きと恐怖で顔が引き攣っていたが、どうすることも出来ず地面に向かって落下して行ったのだった。
そして、次の瞬間にはドカ――ンという大きな音と共に岩盤に衝突したのである……。
「はぁ……はぁ……」
ベスの目の前には、大の字になって倒れているロシェルの姿があり、その体は傷だらけで服もボロボロになっていた。
彼女はそんな状態になっている彼女に近付いて行き言ったのだ。
「貴女もしつこい女でしたね……」
しかし、ロシェルから返事はなく彼女は気絶していたのだ。彼女を守っていた鉱石の障壁が被害を軽減し死を免れたようであった……。
ベスは気絶したロシェルを見て勝利を実感し、安堵の表情を浮かべたのだった……。
そして、ベスがロシェルに話し掛けたのであった……。
「どうやって戦いますか？」
「そうね……。お互い、精霊の力を有しているから、小細工は無用よね……」
ロシェルがそう言うとベスも頷いていた。そして、彼女達はゆっくりとお互いの距離を縮めて行ったのである……。
そして、2人が間合いに入ると突然、風が吹き荒れたのであった。それは、ベスが精霊ジンの能力を使いロシェルに向かって突風を吹き付けたのであった。
「ぐっ……！」
その風に押されるかのようにしてロシェルは吹き飛び転がって行ったのだ……。彼女はそのまま吹き飛ばされて木に激突し地面に倒れてしまったのであった……。
そんなロシェルを見てベスは元の姿に戻り彼女に近付いて言ったのだった……。
「まだやりますか？」
すると、ロシェルはベスを睨み付けて言ったのである。
「ええ……もちろん！」
そして、立ち上がると彼女の体の周りには地の精霊による鉱石による防御障壁で守られていたのであった。そして、ロシェルはベスに向かって突っ込んで行ったのだ。
その立ち上がりに一瞬驚いたが、ベスも精霊の力を使ってロシェルよりも早く動き攻撃を避けたのである。
「速いわね……」
ロシェルは関心したように言ったのだが、ベスは涼しい顔をして彼女に言ったのである。
「そちらも頑丈ですね……」
そして、2人はまた間合いを取るとお互い睨み合っていたのだった。そして、彼女達は再び戦い始めたのである……。
ベスはジンの力を使い、つむじ風になりロシェルに向かって無数の風の刃を発射していたのだ。風の刃は鉱石の障壁に阻まれ、ロシェルに届く事はなかったのだ。
しかし、ベスは障壁を破ろうと風の刃を何度も放ち続けたのである。それはまるで、いつか鉱石を破壊出来るのではないのかと思われる程、続いたのである……。
ロシェルは鉱石の障壁を破ろうと必死になっているベスを見ながら言ったのである。
「しぶといわね……」
そして彼女は、いつまでも風の刃による攻撃に苛立ちを感じていたのであった。
そんな時、突然つむじ風が消えて行ったのだ……。
「？」
ロシェルは不思議に思いベスを見ると彼女は人の状態に戻りニヤリと笑って言ったのである。
「どうやら、お互い離れた距離で戦っても無駄みたいですね……」
「そうね……接近戦をするしかないわね……」
2人はお互いに見合うと、ゆっくりと距離を縮めて行ったのである。そして、2人が間合いに入った時ロシェルは呪文を唱えたのだ。
「大地の精霊よ土のゴーレムを作り出し敵に襲わせよ！」
すると、ロシェルの周囲の地面が盛り上がり土で出来たゴーレムが誕生したのだ。その数は数体にも及んだのである。
そして、ベスはその数に驚く事なく言ったのだった……。
「流石に数が多すぎますね……」
彼女の前に現れた数体のゴーレム達は次々と拳を構え襲い掛かって行ったのである。
ベスは、つむじ風となり次々とゴーレム達を撃退していた。しかし、土のゴーレムは破壊されても直ぐに再生して復活してくるのだった。
「このままでは、キリがないです……」
ベスはゴーレムを倒しながらも言った。そして、彼女は風の刃をロシェルに向けて攻撃したのだ。しかし、その風の刃はロシェルの障壁に阻まれてしまったのである。
「くっ……！」
今度はロシェルが舌打ちし言ったのだった。
「あんたもしつこいわね！」
そして、ベスは彼女に風の刃を何度も放ち攻撃した。しかし、その攻撃は鉱石の障壁を破る事が出来ず、ただ彼女の周りで霧散していくだけであった……。
2人の攻防は続く中、ロシェルが突然ある事を思い付いたのである。
彼女はニヤリと笑い言ったのだ。
「身動き出来ないようにしてあげるわ」
すると、ベスの周囲の地面が盛り上がり彼女を覆う様に囲んだのであった。
「くっ……」
ベスは、つむじ風になり逃げようとしたが、すぐに土の壁に行き詰まってしまった。
「逃げられないわよ！」
彼女は周囲を見渡し逃げ道を探していると突然、土の壁が閉じようとしてきたのである。そして、ベスの体が壁に押し潰されようとした時ロシェルが冷たい声で言ったのだ。
「もう終わりよ……」
しかし、ベスは潰される前に煙となり壁の圧死から脱出したのであった。そして、彼女はまた人の状態に戻るとロシェルに告げたのである。
「ジンの能力を舐めないで下さい！」
「しぶとい女ね……。でも、これはどうかしら？」
ロシェルはニヤリと笑って言ったのだ。
「大地の精霊ノームよ！ 大地と共鳴し破壊と爆発を起こさせよ！」
彼女は呪文を唱え大地に手を置いて集中していたのである。
すると、ベスの足元が振動し始めたのである。そして、彼女の足元は大きく振動していき、その揺れがどんどん大きくなっていったのだ。
「これは……」
ベスが驚いているとロシェルが言ったのだった。
「あんたをノームの力によって衝撃波で吹き飛ばすのよ！」
すると、地面の揺れで地中にある岩石が砕け散り、地面からベスに向かって砕けた石が吹き飛んで行くのであった。
「くっ！」
ベスは風になり逃げようとしていたが、やがて破壊の衝撃波に押し飛ばされて行ったのである。彼女は空中で体勢を立て直そうとして試みたが、結局耐えきる事が出来ずに吹き飛ばされてしまったのだ……。
そして、彼女は地面に叩き付けられてしまい倒れてしまったのであった……。ロシェルはそんな彼女を見て近付いて行き言ったのである。
「まだやる？」
すると、傷だらけのベスはよろよろと立ち上がりロシェルに言った。
「そうですね……。貴女を倒さないと終われないわ……」
ベスはフラフラになりながらも、ジンの力を使って戦闘態勢に入ったのであった。ロシェルはそんな状態になっている彼女に呆れながら、
「呆れたわ……。でも、これで最後よ！」
ロシェルは彼女に止めを刺そうと呪文を唱えたのである。
「大地の精霊よ！ 敵に岩石の雨を降らし打ち倒せ！」
そして、ベスに向かって岩石の雨が降り注ぐのであった……。
ベスはボロボロになりながらもロシェルに突っ込んでいったのだ。そして、彼女はジンの力を使い、つむじ風となり岩石の雨を躱していった。
しかし、避けきれずに何個かの岩石が彼女の体に当たったのである。それでも彼女は怯む事もなく突き進んで行ったのだった。
そして、ベスは満身創痍になりながらもロシェルの近くまで来た瞬間だった。
突然、つむじ風が彼女を巻き込み、そのまま彼女を押し上げ上空に向かって行ったのだ。彼女は空中に突き上げられながら上に行くと今度は下に向かって落下して行ったのだ。
その落下する先には空洞の岩盤が見えていたのである。
「！」
彼女は下の地面を見て驚いたのだ。そこは、ノームの能力で開けた大きな穴が空いた岩盤があり、そこに叩き付けられたらただでは済まない事は明白であった……。
ロシェルは驚きと恐怖で顔が引き攣っていたが、どうすることも出来ず地面に向かって落下して行ったのだった。
そして、次の瞬間にはドカ――ンという大きな音と共に岩盤に衝突したのである……。
「はぁ……はぁ……」
ベスの目の前には、大の字になって倒れているロシェルの姿があり、その体は傷だらけで服もボロボロになっていた。
彼女はそんな状態になっている彼女に近付いて行き言ったのだ。
「貴女もしつこい女でしたね……」
しかし、ロシェルから返事はなく彼女は気絶していたのだ。彼女を守っていた鉱石の障壁が被害を軽減し死を免れたようであった……。
ベスは気絶したロシェルを見て勝利を実感し、安堵の表情を浮かべたのだった……。
